浮くか、沈むか。米国小売店舗業界の正念場

米国小売業界の年間売上の4分の1を占めるというホリデー商戦が幕を閉じ、その結果を見て思うのは、「2013年はアメリカの店舗小売業界にとって大変な年になる」ということです。

総じて言えば、ホリデー商戦中(11月、12月)のネット売上が前年比13.7%増を記録したのに対し、同時期の小売店舗の売上はわずか3.1%増でした。現在、年間を通じて、アメリカの小売市場売上全体にネット売上が占める割合は約7%。しかし、これが、生活者の価格感度がぐんと敏感になるホリデー商戦中に限っては、全体の16%を占めるまでに膨れ上がるのです。

ザッポスがフルフィルメント業務をアマゾンに移譲、その真相は?

ザッポスがケンタッキーのフルフィルメント業務をアマゾンに移譲するという。合計120万平方フィートにも及ぶ膨大な施設も、3,000人を超える従業員も、丸ごとだ。

CEOのトニー・シェイが米国時間の昨日(6月6日)づけで従業員に送ったメールがブログに掲載されていて知ったのだが、正直ショックを受けた。ザッポスの反骨精神とイノベーションの象徴であるケンタッキーのフルフィルメント・センター(通称KYウェアハウス)には、昨年の1月に訪れた。その時の感動がまだ記憶に新しい。

店舗小売業に問う-ネットへの対抗策は果たして、「テクノロジー」か?

アマゾンを筆頭にした「ネット通販」が幅を利かせるにつれ、店舗がショールーム化するという「ショールーミング(Showrooming)」という言葉が米ビジネス界では頻繁に聞かれるようになった。顧客が店舗をショールームとして利用する、つまり、店舗に行っても商品を見たり触ったりするだけで購入はせず、代わりにネットに行って購入することを指す言葉だ。

アップルとグーグルの一騎打ち:米ホーム・エンターテイメントを制するのは誰か?

グーグルがホーム・エンターテイメント機器を展開するらしい・・・との報道がされて、アメリカではちょっとした話題になっている。

クラウド型ストレージ・サービス、「ドライブ(Drive)」の間近な導入が報道されたのがつい先日。最近のグーグルはサービス/事業拡張に忙しい。いや、グーグルという会社はもとより、新しいアイデアを次々と試験運転しては、スティック(定着)しないものをどんどん切り捨てていくというベータ的メンタリティの会社ではあったのだが・・・。しかし近年では、それがオリジナルな「ネット広告ビジネス」のモデルからの離脱を示唆するものであるからか、特に目立ってみえる。

グルーポン、米リテール業界の「現体制」に宣戦布告

「共同購入型クーポン」のグルーポンが、物品販売に進出した。

初めてグルーポンの存在を知った頃、その強みは、「ローカル・ベースのサービス・ビジネス」支援だと定義していた。つまり、ご近所のレストランやスパといった、比較的小規模で、どんどんウェブ化、ソーシャル化する世の中においてマーケティングに苦戦しているローカル・ビジネスを支援するということに大きな意義があると思ったのだ。

そのグルーポンが、物品販売に進出した。それも、グルーポンでクーポンを購入して、それをローカルの店舗に行って還元する、というタイプのものではない。あくまでオンライン販売だ。グルーポンの登録顧客にはメールでセールの開始が知らされるが、そのメールからクリックスルーしてクーポンを買い、商品の提供サイトに行って購入を完了する。

アメリカのビジネス系ニュース・サイトは、『グルーポン、ダイレクトEコマースに参入』と報じる。提供商品を見るところ電化製品やエクササイズ機器、キッチン家電など、いわゆる「ガジェット」と呼ばれるものが主流のようだ。つまり、アマゾン、ウォルマート、ベスト・バイなどといった「米リテール業界の巨人」たちに真っ向から立ち向かうことになる。

eBay(イーベイ)に見る、米ネット・コマース・ルネッサンス

世界最大のEコマース・カンファレンスに参加してきました!7,000人を超える参加者が一堂に集まった会場は90年代後半のネット・バブル時を彷彿とさせる熱気に満ちていました!今日から4回連続で、イーベイの事例をあげてアメリカのネット・コマース・ルネッサンスについてレポートします。