コア・バリューは会社の魂
コア・バリューとは
企業における中核的価値観
コア・バリューとは何か?
コア・バリューとは、企業が最も重要であると考える価値観であり、日々、社員が考え、行動するうえでの指標として定めるものです。企業の「魂」や「信条」、またそこで働く個人の「働き方」「考え方」の基盤になるものといえます。
コア・バリューとは「中核的価値観」。私たちは日々、「価値観」に基づき考え、行動しています。多くの場合、その「価値観」は意識されていないもので、あらゆる判断はまるで「自動的に」行われているように感じるかもしれませんが、無意識のうちに「価値観」を指標にして判断を下しているのです。
個人にも、国家にも、あるいは家庭にも「価値観」がありますが、コア・バリュー経営では、「企業」という組織の構成員が共通して持っている、あるいは持っているべき価値観を定めようとします。そうすることによって、結束力の高い組織をつくることができます。
コア・バリューのメカニズム
毎日の生活の中で、いくつもの「意思決定の機会」に遭遇します。そのたびに、私たちが考えるのが「価値観」です。とはいえ、そんなに明確に目に見えるようなものでもありません。私たちが意思決定する時は、「価値観によるスクリーニング」を無意識のうちにしています。
たとえば一週間のうちに休みが一日しかなかったとしましょう。その一日をどう過ごすか。友人からのパーティのお誘いと、自分の家で本を読んだりしてゆっくり過ごすことと、二つの選択肢があるとします。
この人が「人とのつながり」を優先する人だとしたら、つまり、「人とのつながり」がコア・バリューだとしたなら、もちろん、「友人宅でのパーティ」に行くことを選ぶでしょうし、また、「学び」を重要視する人(「学び」をコア・バリューとして持つ人)は家で本を読んで過ごすことを選ぶかもしれません。
会社もそれと同じで、「合理性」をコア・バリューに掲げる会社と、「顧客主義」を掲げる会社とでは対応がまるで違ってきます。
もし仮に、ある顧客が返品期限の切れた商品を「使ったらいとも簡単に壊れてしまった」と持って帰ってきたら、「合理性」を何よりも重視する会社では、「すみません。あいにくですが、期限が切れてしまっているので返品は受け付けられません」というかもしれません。しかし、何よりも「顧客主義」であることを重んじる会社だったら、期限が切れていることは問題にもせずに、快く返品を受け付け、もしかしたら不良品のお詫びに商品券をくれるかもしれません。
会社の中で皆が共有すべきコア・バリューを定めて、理想とする「企業文化」をつくることがコア・バリュー経営のねらいです。会社によってコア・バリューはまちまちですが、少ないところで三つ、多いところで10以上のコア・バリューを定め、コア・バリューに基づいて会社で働く人が日々考え、行動することを徹底しています。
誰でも「好きな会社」「付き合って気持ちの良い会社」「感動を与えてくれる会社」から買いたい/ビジネスしたいと思っています。ものやサービスでは差別化が難しくなった時代に、「コア・バリュー経営」は企業が頭角を現し、お客様にとって特別な存在になるための第一歩なのです。
*ダイナ・サーチでは、戦略的企業文化を構築する上で不可欠となるコア・バリュー経営を導入したい、学びたい、と考える皆様の支援活動を行う、コア・バリュー経営協会の運営を行っております。
コア・バリュー 引用集
コア・バリューは企業の普遍の魂
コア・バリューは組織の本質を突き、決して変わることのない信条や価値観を指します。組織の「魂」とでもいうべきものであり、市場などの外的要因に左右されることはありません。未来企業は、市場の状況や、競争要因や、流行りの経営手法などに関係なく、自らが「これ」と信じるものを定義し、会社の全員で共有し、それに徹底的にこだわります。(引用:未来企業は共に夢を見る- コア・バリュー経営- )
ザッポスの10のコア・バリュー
〇サービスを通して、WOW(驚嘆)を届けよ
〇変化を受け容れ、その原動力となれ
〇楽しさとちょっと変わったことをクリエイトせよ
〇間違いを恐れず、創造的で、オープン・マインドであれ
〇成長と学びを追求せよ
〇コミュニケーションを通して、オープンで正直な人間関係を構築せよ
〇チーム・家族精神を育てよ
〇限りあるところからより大きな成果を生み出せ
〇情熱と強い意志を持て
〇謙虚であれ
(引用:未来企業は共に夢を見る- コア・バリュー経営- )
万人を喜ばせるコア・バリューなんて存在しない
まず、従業員全員が同意するようにコア・バリューをつくることは不可能です。先に述べたように、トップやリーダーが、「どんな会社をつくりたいのか」という確固たるビジョンを打ち立てることが必要です。(中略)
コア・バリューを絞り込み、定義していく過程の中では、それに相容れぬものを感じて会社を辞める人もでてきます。でも、それはやむをえない犠牲と割り切って、「こうありたい」、「こうあるべき」というビジョンを貫かねばなりません。コア・バリューを明確に定義し、それに忠実に会社を経営すればするほど、コア・バリューを共有できない人は自ずと間引きされていくでしょう。最終的に、従業員全員が(あるいはそれに限りなく近い大多数の人たちが)コア・バリューを共有する組織ができあがります。それが目指すところです。(引用:未来企業は共に夢を見る- コア・バリュー経営- )
より良く生きるためのパーソナル・コア・バリュー
私たちは日々、いくつもの意思決定や選択をしますが、それらは多くの場合、無意識のうちに行われています。どんな企業にも価値観があり、文化があるように、誰もが価値観をもち、その人なりの「生き方」をしています。
自らの価値観を認識することで、価値観に則った意識的な行動や選択がしやすくなります。自らの使命を全うし、ぶれのない生き方をするための第一のステップになるということです。 (引用:未来企業は共に夢を見る- コア・バリュー経営- )
コア・バリューは、企業自身の価値観
「コア・バリュー」は、企業の「核となる価値観」です。「コア・バリュー経営」では、コア・バリューに基づいて、採用、育成、評価、報奨、社内コミュニケーションなど、社内のあらゆる仕組みをつくり込み、運営していきます。そうすることにより、「コア・バリュー」が社内の一人ひとりの「意思決定の判断基準」として、徹底されます。 (引用:アメリカで「小さいのに偉大だ! 」といわれる企業の、シンプルで強い戦略 )
ザッポスの「コア・バリュー」は、標語ではなく生き方
ザッポスの「コア・バリュー」は、姿勢を正して傾聴し、胸に手をあてて復唱する類の、単なる「標語」ではありません。ザッポニアンにとっては、コア・バリューは「ウェイ・オブ・ライフ(生き方)」なのだと、CLT(カスタマー・ロイヤルティ・チーム)部門のシニア・マネジャー、ジェーン・ジャッドは語ります。(引用:ザッポスの奇跡(改訂版)~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略)
コア・バリューとは何か?
コア・バリューとは、社員全員が企業理念の指し示す方向に向かって、共に進んでいくことを可能にする価値基準です。カルチャー(文化)そのものには形がなく、とらえどころがないのに対して、コア・バリューは、カルチャーを具現し、毎日の行動に反映することを可能にします。
日本では、高級ホテルのリッツ・カールトンや、医薬・医療品メーカーのジョンソン・アンド・ジョンソンなどが用いている「クレド」がよく知られています。直訳すると、「クレド」は「信条」で、「コア・バリュー」は「中核となる価値観」ですが、企業カルチャー育成という文脈においては、ほぼ同様な使い方をされているようです。(引用:ザッポスの奇跡(改訂版)~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略)
コア・バリューに基づき、各社員が週にひとつ改善する
「社員のみんなに挑戦してもらいたいことは、少なくとも週にひとつ、ザッポスがコア・バリューをよりよく反映する組織になるための改善をすること。もし、各自が週にひとつの改善に取り組めば、会社的には1年間で5万件以上の改善になる。ひとつひとつの改善は小さくとも、積もり積もれば会社に劇的なインパクトを与える大きな改善になる。(引用/ザッポス「コア・バリュー文書」の冒頭から:ザッポスの奇跡(改訂版)~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略)
CEOトニー・シェイが体現するコア・バリューは「謙虚であれ」
社員がトニーを語る時、最も頻繁に聞かれるのは、「謙虚」という言葉です。ザッポスのコア・バリュー第10条が「謙虚であれ」であるのは偶然ではありません。トニー自身も「傲慢な人間は大嫌いだ」と言います。彼がコア・バリューに対する質問を受ける時、必ずといっていいほど強調することでもあります。「人間でも会社でも、傲慢になったら最後、必ず崩壊します」とトニーは戒めるのです。(引用:ザッポスの奇跡(改訂版)~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略)
コア・バリューの例
ザッポス
- サービスを通して、WOW(驚嘆)を届けよ
- 変化を受け容れ、その原動力となれ
- 楽しさと「ちょっと変わったこと」をクリエイトせよ
- 冒険心をもち、創造的で、オープン・マインドであれ
- 成長と学びを追求せよ
- コミュニケーションを通して正直でオープンなつながりを育め
- 前向きなチーム/家族精神を育め
- 限られたところから大きな成果を生み出せ
- 情熱と強い信念をもて
- 謙虚であれ
ウェグマンズ・フード・マーケッツ
思いやり: すべての人が健康で満ち足りた生活を送れるよう気遣います。
高い水準: ウェグマンズにとって「高い水準」は生き方です。すべてにおいて卓越を目指します。
世の中のためになることをする: 私たちがサービスを提供するすべてのコミュニティのより良い暮らしに貢献します。
尊重: 働く人一人ひとりを尊重し、その声に耳を傾けます。
エンパワーメント: 働く人一人ひとりに、仕事を働きやすく、そして顧客や会社のためになる改善ができるよう、自分で考え、判断し、行動する権限があります。
メソッド
メソッドの「ヘンさ」を維持する: あえて「ヘン」であることに意義がある。また、楽しまなければ大きな成果を出すことはできない。
マクガイバーだったらどうするか?: 80年代の人気TV番組『冒険野郎マクガイバー』のように機略に富んだ「解決屋」であれ。どんな時でも「できない」を「できる」に変えよ。
模倣ではなく、革新せよ: リスクを恐れず、とにかくやってみる。試行錯誤の中に、思いもよらない飛躍は生まれる。
協業、協業、また協業: 部門の垣根を越えた意見交換、コミュニケーション、助け合い。何事においてもオープンで肯定的な姿勢。
徹底的に気遣う: 同僚、顧客、取引先、環境…。対象は何であれ、徹底的に気遣う。常に利益よりも使命を優先する。