「イノベーションの企業文化」をどうつくるか

企業文化を促進するオフィス・デザイン

『企業文化探求の旅』、四日目は、アメリカ最大のオート情報サイトを運営するエドムンド・ドット・コム社に行ってきました。

エドムンド・ドット・コム社の本社は、我々のオフィスから車で10分くらいのところにあります。インテリア・デザイン賞を受賞したこともある定評の高いオフィスです。

エドモンズ・ドットコム エドモンズ・ドットコム エドモンズ・ドットコム

企業文化をかたちづくる要素にはいろいろなものがありますが、目に見えるもの、環境もその重要な一部。訪問する前から心が躍ります。

オフィス空間に一歩足を踏み入れた途端、頭に浮かんだ三つの言葉は、「開放感、遊び心、躍動感」。

個人情報や機密情報を扱う法務部、人事部を除いては、会長もCEOも個室をもたず社員と机を並べて座っているオープンなオフィスは、赤や黄色、青などの原色が目立つカラフルなものです。

「明るい色は社員のクリエイティビティを活性化するので、そのための配慮です」

と、人事部VP、カレン・フィンクさんが教えてくれました。

オフィス環境という物理的な要素も、企業文化を育む重要な材料のひとつだと認識した上での工夫なのですね。

「ドット・コム企業」への華麗な変身と企業文化の変革

社名からもオフィスのルックスからも、「筋金入りのネット企業」という雰囲気が漂う同社ですが、実は、その前身は1966年創業の出版社。創業以来、オート情報誌を出版してきて、ネットに参入したのは95年のこと。2001年のネット・バブル崩壊で多くの「ファースト・ムーバー」が倒れていった中、その危機を乗り越えたつわものでもあります。

edmunds.com

66年創業という、「オールド・エコノミー」的企業が、いかにネットという「ニュー・エコノミー」への転換を遂げてきたのか。

その企業文化形成には、どんな経緯、どんな難題が存在したのか。

そこのところを、是非、きいてみたいと思っていました。

「ボトム・アップ」の企業文化を目指して

きいてみれば、エドムンドは、過去二年くらいの間に、企業文化への取り組みを本格的に始めたばかり。

最近、成文化されたばかりのコア・バリューを前に、フィンクさんは話してくれました。

66年創業のいわば「老舗」であるエドムンドは、近年、社内のアイデア創出がトップ・ダウン型に偏りがちになってしまうという悩みを抱えていました。創業者のピーター・スタインラウフ氏が会長、その息子さんであるエイヴィ・スタインラウフ氏が社長を務める同社は、トップの実務経験や知識が優れていることが仇となり、常にアイデアを出すのはトップ、そしてそれを遂行するのは現場、というすみ分けができてしまったのです。

きいてみれば、エドムンドは、過去二年くらいの間に、企業文化への取り組みを本格的に始めたばかり。

最近、成文化されたばかりのコア・バリューを前に、フィンクさんは話してくれました。

66年創業のいわば「老舗」であるエドムンドは、近年、社内のアイデア創出がトップ・ダウン型に偏りがちになってしまうという悩みを抱えていました。創業者のピーター・スタインラウフ氏が会長、その息子さんであるエイヴィ・スタインラウフ氏が社長を務める同社は、トップの実務経験や知識が優れていることが仇となり、常にアイデアを出すのはトップ、そしてそれを遂行するのは現場、というすみ分けができてしまったのです。

きいてみれば、エドムンドは、過去二年くらいの間に、企業文化への取り組みを本格的に始めたばかり。

最近、成文化されたばかりのコア・バリューを前に、フィンクさんは話してくれました。

66年創業のいわば「老舗」であるエドムンドは、近年、社内のアイデア創出がトップ・ダウン型に偏りがちになってしまうという悩みを抱えていました。創業者のピーター・スタインラウフ氏が会長、その息子さんであるエイヴィ・スタインラウフ氏が社長を務める同社は、トップの実務経験や知識が優れていることが仇となり、常にアイデアを出すのはトップ、そしてそれを遂行するのは現場、というすみ分けができてしまったのです。

とことんまで自律を重んじる企業文化

同社では毎週金曜日に、トップ・マネジメントを交えての「全社ミーティング」が行われますが、300人あまりいる本社勤務の社員のうち、200人程度しかそのミーティングには参加しないそうです。「人事部としては、それを問題視しているか。欠席する人には何らかの罰則があるのか」とフィンクさんにきいてみました。

「罰則があるのか」という問いに関しては「ない」。「問題視しているか」という問いに関しては、「問題視はしているし、参加を呼びかけてはいるが、強制はしない。ミーティングで話されることに社員が価値を感じれば、しぜんと参加する人は増えると思うし・・・。なので、ミーティングの内容の充実に努めるまで・・・」。この姿勢からも、従業員の自律を重んじる同社の企業文化がひしひしと伝わってきます。

あくまで、社員の自主性を重視する明確なポリシーに感動さえ覚えました。同社の「企業文化育成への道」はまだ始まったばかりですが、これからの歩みがますます楽しみな会社であるといえます。