これからどうなるテレコム業界?グーグル侵略の予兆

来年初めに予定されているFCCの700MHz帯オークションに、グーグルが参加する意思を表明したというニュースを聞いた。ただし、FCCが、「オープン・アクセス」のコンセプトを基盤としてオークション・ルールを定めるならばという条件つきだ。これが実現すれば、ユーザーは、使用する端末やデバイスの種類に関わらず、自由にキャリアを選び、あらゆるソフトウェアやコンテンツ、サービスにアクセスすることができるようになる。モバイル・サービス市場における、「顧客主導型」の到来だ。
7月の初めに、電話管理サービス・プロバイダーGrandCentral買収のニュースを聞いた時も、「グーグルが、ついにテレコム市場にも参入か」とはっとした。GrandCentralとは、ユーザーが、携帯、固定電話(自宅、職場)など複数の通話を、単一の番号を通じて統合管理できるというシステムだ。グーグルが、これを自社の既存サービスと絡めて、電話の音声データをテキスト化して検索に活用する、などという動きも想定されている。
近年、ITを梃子に、業界障壁を超えて事業拡張する例が続出している。今から一ヶ月ほど前にアップル社がiPhoneをリリースし一大旋風を巻き起こしたが、テレコム市場を狙っているのは、アップルやグーグルばかりではないだろう。ウェブの「巨獣」、アマゾンも、どんな構想を隠し持っているかわからない。モバイル・サービス市場における戦国時代の幕開けか。