これから流行る!共感ビジネス

先日、めがねを新調した。

私の場合、かなり重度の近視と乱視が混ざっている。そのため、レンズの厚さを考えると、見てくれよくできるフレームの種類が限られている。

そんなわけで、今回もかなり苦労しながら、気にいったフレームを3通りに絞り込んだ。そして、最終的に選んだのはECO(Earth Conscious Optics)というブランドのもの。このブランドのフレームはすべて95%以上のリサイクル資材でできている。さらに、Trees for the Future(ツリー・フォー・ザ・フューチャー)という非営利団体との提携により、売り上げたフレームの数だけ植林を行うという仕組みをもっている。また、度が進んでしまって使えなくなったフレームを消費者から回収し、貧しい国の人たちに供給するという活動も行っているという(写真は、新調しためがねが入ってくる箱。この箱に古いめがねを入れて、同梱の封筒に入れて送る)。

メガネを入れる箱

今回、めがねを買った時のプロセスを振り返って考えてみると、フレームを最後の3個に絞りこむまでは、デザイン(見てくれ)が重要であったことは言うまでもない。しかし、最後の三つの中から選ぶ、という段になったときに、このECOという会社が目指しているもの、象徴するもの、それらへの共感が背中を押してくれたのは確かだ。言い換えれば、購入の基本条件として商品の質(質の良さ)はなくてはならないものだったが、そこを越えてしまえば、決め手となったのはその会社(ブランド)がもつ社会的メッセージであったということになる。

多くの商品がそうであるように、めがねというのは第一に機能的な商品である。そして第二にデザイン性(美的感覚)が問われる。しかし、最後の砦であり、特に近年最も重要になってきているのは、その会社(ブランド)が「社会に向けてどういった主張をするか」ではないか。そして、私にとってこのめがねを買うことは、ただ「モノを買う」ことではなく、世に対して私なりのささやかな主張をすることである。購入(消費)という行為が自らの物欲を満たすだけではなく、社会に対して少しでも価値を生み出したという安心感。人間として、同じ目標に向かって進んでいるという、企業と顧客との連帯意識。企業にとって、これに勝る強みはないだろう。

新調しためがねをかけて1時間のうちに私は既にふたりの人にこのECOの話をした。これからも私は、くすぐったいプライドを感じつつ、多くの人にECOというブランドと私のストーリーを話すだろう。「これは、ただのめがねではなくてね・・・」と。