オンライン・グローサリービジネスにおけるアマゾンの勝算は?

今月のはじめ、アマゾンがグローサリーのデリバリー・サービスを開始した。まだまだシアトル限定だが、翌日配送サービスの他に、「夜明け前配達」、「ローカル・ピックアップ」など、顧客の便宜を考慮したなかなかユニークなサービス・オプションを提供している。

アマゾンの生鮮食品配達サービスのロゴ

グローサリーのオンライン販売市場といえば、今は死語と化した「ドット・コム」が全盛期だった1990年代半ばから2000年にかけて大いに盛り上がりを見せた。WebvanやKozmoなどが新興のビジネス形態として大いに注目を浴びたが、それらの会社の若き経営陣たちのスピーチを私も何度か聞いたことがある。「世界を制覇する」といわんばかりの威勢のよさだったが、いずれも2001年に倒産の憂き目を見た。
以前に、アマゾンがグローサリーのデリバリーを始める、と耳にした時には、てっきり、実店舗を持つ大手スーパーマーケットか何かと提携してのことかと思っていた。しかし、蓋を開けてみると、どうも物流センターもトラックも自前とのこと。ドット・コム全盛時代に、アマゾンは、Homegrocer.comや前述のKozmo.comなどオンライン・グローサリー販売業者に投資していたから、この業態については継続的に研究をしてきたのかもしれない。いずれにせよ、かなりの投資をして展開をするわけだから、きっと勝算があるのだろう。
今では従来型のスーパーマーケットにもオンライン販売を行っているところがたくさんあるが、私自身は利用してみたことはない。アマゾンがロサンゼルスにも進出した暁には、是非試してみたいと思っているが、どのくらい先のことになるのだろうか。今後の展開が楽しみだ。