ニッチ商品に見るカタログのパワー

買い物好きの人にとって、カタログやチラシほど楽しいものはない。

お行儀が悪いと分かりつつ、
食事をしながらもついカタログを手にとって見てしまう。

私が好きなもののひとつに
「King Arthur Flour」のカタログがある。
カタログというよりも読み物として楽しんでいる。

King arthur flourのカタログ

「King Arthur Flour」はその名の通り、粉屋さんだ。
お菓子や料理のときに使う粉モノを中心に提供しているのだが、
じつに様々なものを扱っている。
フレーバー好きのアメリカ人のニーズに対応すべく、
粉に混ぜ込むためのエッセンスや香料も豊富。
今やアメリカの高級食材として欠かない
「オーガニック」「グルテンフリー」系商品もばっちり揃っている。
このカタログをめくっていると
頭の中にストーリーが生まれてくるのがポイントで
読んでいるとビバリーヒルズで人気のカップケーキ屋さんと
同じものができるかも・・・と幻想を抱いてしまうほどだ。

「King Arthur Flour」はお客様とのコミュニケーションを
とても大切にしている会社であるという。
だから、カタログにはアメリカの生活者目線の提案が
いつもさらりと盛り込まれていて、
手にとる方はうきうきしながら読める。
それが長年にわたって熱烈なサポートを得ている理由なのだろう。
「値段が高いんじゃないかという人もいるけど、その価値はあるわ!」
「ずっとKing Arthur Flourの粉をつかっているし、
これからも他の店から買うつもりはないわ」
などという、熱烈なファンもいるようだ。

このごろ買い物はアマゾンに頼りっぱなしだが、
ニッチなものは、こういう「近所の専門店」的なお店で
見るに限る。

テンテン