大学キャンパスにフォーカスした新進レンタカー・ビジネス

先日、ひょんなことから、UCLAの学生と話す機会があった。4万人近い学生が籍を置くUCLAでは、学生がキャンパス内の駐車場スペースを確保することは極めて難しく、その特権を勝ちうることができるのは抽選に当たった者だけだという。しかも駐車料金はクォーター(14週間)あたり600ドルくらいとものすごく高い。ちなみにこれがどのくらい高いかというと、我々のオフィスがあるビルディング内の駐車場が一カ月100ドルくらいだから、相当のものだ。しかし、アメリカ(特にロサンゼルス)は車社会だから、車がないと生きていけないといっても過言ではない。
駐車場この話を聞いて、今全米中に広がりつつある面白いサービスの話を思い出した。新手のレンタカー会社が、大学のキャンパスを中心に展開しているサービスで、普通のレンタカーとは違い、日単位ではなく時間単位で車を借りることができるというものだ。25ドルから35ドルの年間メンバーシップ・フィーを払えば、一時間5ドルから10ドルという低料金で車を借りることができる。また、普通のレンタカー・サービスだと、書類の記入など面倒なプロセスも多いが、このサービスの場合、ウェブ、または電話で手続きを済ませ、所定の場所に停めてある車に直接行けばメンバーシップ・カードでカギを開けることができるという気軽な仕組みになっている。キャンパス内やキャンパスの近くに住んでいる学生にとっては願ってもないサービスだ。
UCLAの法外な駐車場料金の話を聞いて、このサービスの価値提案に「なるほど」と頷いた。キャンパス内に住む大学生とはいえ、ちょっとした買い物や、週末に遠出をしたいと思う時もあるだろう。そんな時に、毎度友人に頼み込んで車を貸してもらうのも気まずい。お金はあまりないが、遊びたい盛りの若者のニーズを捉えた心憎いサービスなのであった。