究極のショッピング・デバイス、iPad恐るべし: 米国ブラック・フライデー速報その2

昨日、無事にロサンゼルスに戻ってきましたが、帰ってきてみるとブラック・フライデーの話題で一色でした。今日も引き続き、先週のブログの続きをスタッフが書いてくれています。


当然のことながら、まだ今年のブラック・フライデー・ウィークエンドの全貌を表す数値は出揃っていませんが、どうやら今年の感謝祭とそれに続く週末にはiPhoneとiPadが大活躍したようです。

その背景には、まず、オンライン・ショッピングの快挙があります。感謝祭の日(11月24日、木曜日)のオンライン購買額は前年比40%増、そして、その翌日ブラック・フライデー(11月25日)は前年比24.3%増を記録しました。

思い返せば昨年のホリデー・シーズン、アメリカでは、スマート・フォンのアプリを駆使して、より安いものを探すバーゲン・ハンターが大挙して登場、リテーラー達を震えあがらせました。

今年はその傾向がさらに強まり、ブラック・フライデーのネット通販サイト・アクセスを調べてみるとその14.3%がモバイル機器からのアクセスであったということ。これは、昨年の5.6%に比べ、3倍近い上昇になります。

ipadそしてさらに、ネット通販サイト・アクセスに使われた機器を見てみると、その10.2%がiPhoneとiPadであったことがわかったのです。(ちなみに、iPhoneが最も多くて5.4%、iPadがそれに次ぐ4.8%。)

まさに、アップル・パワーというわけです。

モバイル機器からのアクセスが増えただけではなく、モバイル機器で発注されたオーダーの購買単価も増加しました。商品カテゴリーによって異なりますが、例えば家庭用品では、16%近く単価が上がったとか。

さて、モバイル・ショッパーの特徴として、「欲しいものが確定している」ということがあるそうです。「欲しいもの」が決まっているから、それがより安く買えるところを求めてネット通販サイトを渡り歩く・・・。売り手にとっては、最も怖く、最も疎ましいお客さんということになるでしょうか。

ちょっと興味深かったのは、iPadユーザーほどコンバージョン率(サイトの訪問が実際に購買につながった割合)がダントツに高かったということ。その差も、モバイル機器利用者全般のコンバージョン率が2.8%だったのに対して、iPadユーザーのコンバージョン率は4.6%と大きな開きがあります。

iPadユーザーが「なぜ買ってしまうのか」については、調査報告の中では述べられていませんでしたが、鮮明で美しいビジュアルとカウチで寝そべりながらポチっと購入できてしまう気軽さが後押ししているのでしょうか。かくいう筆者も、以前、アマゾンのiPadアプリ、ウィンドウショップ(Windowshop)をダウンロードし、そのあまりの簡単さに恐れおののき、利用三日目にして削除した(つまり、簡単すぎて買いすぎそうで恐ろしかった)経験があります。

昨日は米国で言われるところのサイバー・マンデー。ブラック・フライデーと対になる形で考案されたもので、ホリデー・シーズンの掘り出しものを探しているショッパーに対して、オンライン・リテーラーが様々な販促キャンペーンを展開します。その数値もぼちぼち発表されていくと思いますが、今年一層期待されるネット・コマースの伸び。今からその結果が楽しみです。