コア・バリューの共有で、顧客とともに共通のテーマを追う:パタゴニア訪問記最終回

「パタゴニアでは、お客さまとのパートナーシップを大切にしているんです」
と、ロブさんが語ってくれたのが、「Common Thread(コモン・スレッド)」というプログラム。

パタゴニアの店舗に陳列されるアパレル

「Common Thread」という言葉には、「共通のテーマ」という意味があるのですが、お客様と一緒に、「共通のテーマ」を追求していく、というパタゴニアの姿勢が表れているように思います。

その「共通のテーマ」とは、もちろん、「環境保全」。

パタゴニアがお客様にお願いしている四つのこととは

  • 必要なものだけを買うこと
  • 商品(アパレル)が破れたりほつれたりしてしまった場合には、パタゴニアに送り返してもらうこと。パタゴニアの流通センターには歴代の商品の布地や糸が揃えてあって、無料、またはわずかなコストで修繕することができます。
  • もう着なくなったものは、再販、または寄付すること。
  • もう着れなくなったものは、パタゴニアに送り返してもらうこと。リサイクルされた布地は、新しい商品に生まれ変わります。

上の二つめの項目について、ロブさんは、
「商品にはお客様の思い出がつまっているんですよ。登山をしていて頂点を極めた時の爽快さとか、気持ちがつまっている。だから、パタゴニアではそれを大事にしたいと思うんです」

これをきいて、パタゴニアはとてもヒューマンな会社だと思いました。ザッポスについても思うことですが、これからは、1)確固たるコア・バリュー(中核となる価値観)を世に打ち出して 共感を得ていく会社、そして、2)社員や顧客の「気持ち」を大切にする、ヒューマンな会社が、市場の支持を得て繁栄していくのではないか、そうであって欲しいと思います。