社員こそがブランド! 機内を笑いの渦に巻き込むサウスウエスト航空のコメディアンCA

先週末にYouTubeに投稿されてあっという間に閲覧回数660 万を突破した動画があります。「FUN(楽しさ)」をコア・バリューのひとつに掲げたユニークな企業文化で知られるアメリカの格安航空会社、サウスウエスト航空の機内安全説明を撮影したものです。

機体前方でマイクを手にする金髪の女性。ごく普通の人に見えますが、約3分の安全説明の間、自動小銃のようにほぼノンストップでジョークを連発。

通路に立って実演を行っている同僚三人を「別れた夫」、「新しいボーイ・フレンド」、「離婚弁護士」と紹介し、「シートベルトは私のおばあちゃんがサポート・ブラを着けるみたいにきつめに締めてくださいね~」としょっぱなからややブラックなジョークで笑いをとります。

次々に彼女が繰り出すジョークに乗客は大笑い。

機内の安全説明って重要だとわかっていても真面目に聞いている人は少ないですよね。近年、少しでも多くの人の注意をひこうと、いろいろな航空会社が創意工夫を凝らした安全説明ビデオをプロデュースしたりもしています。(以前に弊社でご紹介したヴァージンアメリカのビデオはこちら。)

どんなに面白くつくられたビデオでも所詮はビデオ。初めての時は良くても、二回目となればちゃんと見ようという気にはなかなかならないものです。コメディー・ショーさながらのライブ感に勝るものはないですよね。

このアナウンスは3分間にわたりますが、彼女のアナウンスに乗客全員が終始注意を払っているのがわかります。普段、関心の低いものに興味を持ってもらう方法を考える。この動画にビジネスのヒントがあるのではないでしょうか。

入社の採用面接ではジョークのセンスも問われるというサウスウエスト航空ですが、出張時にたまたま同社を利用する際にも、時おり他社とは違った個性豊かなアナウンスに出会います。空の旅というとストレスを感じる場面も多いのですが、まさに旅の一期一会、忘れ難い思い出をつくってくれるサウスウエスト航空。会社のパワーは「人」にあるのだ。社員こそがブランドなのだと思わせてくれる一場面ですね。