フルーツの美味しい季節になってきました。
スーパーに行くと、色とりどりのフルーツが目に入ってきます。
この巨大なやつはメローゴールド。
トロピカルなペリカン・マンゴーも。
ロサンゼルスは春を通り越してもう夏です!
ところで、よりどりみどりの品揃えに嬉々として生鮮食品売場をブラウズしていたら、こんなものを見つけました。
かわいらしくパッケージングされたMandarin Oranges(ミカン)。
ふつう柑橘類って、パッケージ売りされている場合は、箱詰めか網入りかのどっちかだと思うのですが、これは取っ手もついた小ぎれいなパッケージに入っていて、その視覚的アピール力の高さに、思わず買ってしまいました。
まったくの「見た目」に刺激されての衝動買いだったのですが、家に帰ってひと口食してみてびっくり。とっても甘くて美味しいのです。
オーガニックですし・・・。身体の中から元気になる感じです。
ひとふさずつ口の中に放り込んでモグモグしながら改めてパッケージをしげしげと眺めていると、ちょっと変わったことに気がつきました。
パッケージの左下にはQRコードと共に、Read Our Story(私たちのストーリーを読んでください)の文字とURLが。
そして、右下には、なんと!今やお馴染みとなったソーシャル・メディアのアイコンが。
そこではじめて、パッケージの左上に書かれたブランド名に目が行きました。
Homegrown Organic Farms(ホームグロウン・オーガニック・ファームズ)。
皆さんはどうかわかりませんが、私はフルーツを買う時は、たいていの場合、種類(ミカンかバレンシアオレンジかブラッドオレンジか・・・)か産地(フロリダかメキシコかグアテマラか・・・)で買っています。
つまり、「ブランド名」なんて気にしていないということです。ばら売りのものだったらなおさら。パッケージ売りのものだって、この前に買ったリンゴがどの「ブランド」のものだったかなんて到底思い出せません。
でも、その瞬間、私はこのHomegrown Organic Farms(ホームグロウン・オーガニック・ファームズ)という「ブランド」にとても興味が湧きました。
早速、ホームページに行ってみました。
http://www.hgofarms.com/growers/
なるほど。この会社は、カリフォルニア州とオレゴン州で有機農業を営んでいる40の農家を「Homegrown Organic Farms」というブランド名のもとに取りまとめてマーケティングしている会社なんですね。創設者のフランス夫妻も長年有機農家を営んできた人たちです。
素晴らしいなあ!と思いました。
たいていの有機農家というのはファミリー・ビジネスであり、自らマーケティングをする時間も人手もノウハウもないのが普通だと思います。だから、一般生活者の間で認知を築くことがなかなかできない。「ミカン」というコモディティをお店に卸すことによって生計を立てているわけです。
・・・でも、一般生活者から求められるような「ブランド」を築けば、市場での地位をもっと高めることができるのではないか・・・。そこで、複数の農家が結託して、統一されたブランド名のもとで流通、マーケティングを行うようにしたのですね。(ちなみに、日本の農協とは異なります。)
同社はソーシャル・メディア活動も盛んです。これはフェイスブック・ページ。
ツイッター。
インスタグラムも!みずみずしいザクロの写真に食欲をそそられます。
ユーチューブ・チャネルもあります。農家の紹介ビデオや、「オレンジのむき方」なんていうのもあるんですよ。
都会に住んでいる私たちにとっては、農場って果てしないロマンを秘めています。近頃、「コンテンツ・マーケティング」なんてことが言われていたりするけれど、農家ほど「コンテンツ=ストーリー」に溢れているビジネスはないんじゃないでしょうか。
すっかりこのブランドのとりこになり、次にスーパーに行く際には、Homegrown Organic Farmsのブルーベリーを買ってみたいな・・・と思っている私でした。