去る5月18日(火)から20日(木)にかけて、初の「ザッポス・エクスペリエンス・セミナー」をラスベガスで開催しました。
今回のテーマは、『ザッポスから学ぶ経営革新』。アメリカの流通市場の変遷を背景に、ザッポスがなぜ、ここまで熱烈な顧客の支持を受けているのか、を紐解くのが狙いでした。私の講演に始まり、ザッポス社内の見学、ザッポス社内・社外教育部門、CLT(コンタクトセンター)、人事部門など各機能分野のマネジャーとのディスカッション・ミーティング、CEOトニー・シェイとの90分にわたるディスカッション・ミーティング、そして、参加者の皆さんからの成果発表および意見交換など、盛りだくさんなセミナーでした。

出席者は、株式会社ECナビ、株式会社サイバーストーク、株式会社JIMOSの三社からお二人ずつ。皆さん、企業文化の育成に真剣勝負で取り組んでいらっしゃる企業様ばかりです。
ザッポスは、非常に「学ぶ意欲」が旺盛な会社。『変化を受け入れ、その原動力となれ』と、コア・バリューにもあるように、とにかく新しい試みが常時進行しています。私も、ザッポスには一月にいっぺんくらい訪ねているのですが、行くたびに発見があります。
今回も、参加者の皆さんとともに、じっくり学ばせていただき、感動を共有させていただきました。

ECナビ社CFOの永岡さんが、セミナー体験をブログに書いてくれました(以下抜粋)。↓
今月(5月)中旬に当社CCO(Chief Culture Officer)のA柳君と、米国Zappos社(以下Z社)を訪問し、企業文化について色々と議論してきました。
まずZ社は自身を「たまたま靴を販売しているサービスカンパニー」と定義しています。その背景には、製品や商品の独自性はすぐに真似されてしまいますが、自分達とそこから生み出される顧客の感動体験は簡単に真似されない、という考え方があります。自分達(社員)と顧客との接点をできるだけ広げて、そこに感動体験という大きな付加価値を作り出す。それが基本戦略なのです。
そのための企業文化の基本思想は10の「コアバリュー」に表現されています。そして家庭にいるときの素直な自分自身の姿を、会社にいるときにも自然に出せることを理想と考えています。
<中略>
企業とは、人の集まりが不特定多数の人に対して何かをしようとしているわけで、その本源にエンパワーメントを見据えることは、具体的なやり方はそれぞれ違ったとしても、普遍的に肯定できる理想と言えると思います。
あえてそこに現実的な経営上の理屈を付け加えれば、それらは2つのルートを通じて、企業に実利ももたらすことになるでしょう。1つは、エンパワーメントによって個々人が(企業としての最低限の統制を保ちながら)自ら適切に行動できれば、組織に効率やスピードや結果としての強さが備わります。そして2つ目にそれは、特にソーシャルメディアを通じて透明になりつつある企業の壁を超えて、外部に対するサービスやブランドとして、それまでにはない新しい価値を生み出していくことになります。
当社も比較的企業文化にこだわっている会社だと思っていますが、それがより本当の意味での会社の幸福と価値に結び付けられるように、一層工夫と努力を重ねていかなければと思っています。
(以上永岡さんのブログより)
全文読みたい方は「CFOの雑食志考(Weekly)」をどうぞ。
今後も、機会があればこんなイベントをやっていきたいと思っています。
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