代表石塚しのぶが米経営の最先端を
戦略的ビジネス眼で読み解きます

トニー・シェイとの思い出:第1回トニー・シェイとの出会いー経営戦略の柱は戦略的企業文化の構築

2020年11月27日、ザッポスの元CEOであり、その飛躍的な成長を率いたカリスマ経営者トニー・シェイ(Tony Hsieh)が逝去したという報せを受けた。火事による事故死。46歳の若さだった。8月にザッポスを電撃辞任し、『サンダンス映画祭』で知られるユタ州のパークシティで不動産を爆買いしているというニュースが数カ月にわたって報道されていた。ラスベガスのダウンタウンで試みたような、「ビジネス(起業)」と「カルチャー(文化)」と「ミュージック(音楽)」が融合する町づくりを構想しているという噂も聞かれ、また何か凡人には想像もつかないような刺激的な「こと」を起こしてくれるのだろうと期待していた矢先だった。

パーパス・バイヤーの時代(概要)

アメリカの消費者の68%が「自分と価値観の異なる会社からは買いたくない」という、また、同じ消費者が「現在市場に出回っているブランドの大半(74%)は存在意義のないブランドだ」と厳しい判決を下している。現在、自分が常用しているブランドは、他に選択肢がないから惰性で買っているのであって、仮にそれらが明日この世から姿を消そうとも痛くもかゆくもないというのだ。

コロナの時代に顧客とつながる、ウォルマートのゲリラ的戦略(概要)

ウォルマートが全米にある店舗のうち160か所の駐車場を利用し、「ドライブイン式映画館」を臨時運営するという。コロナの時代に映画館に行くこともままならなくなって、夏だというのに家にいなくてはならないのかと多少フラストレーションを感じている生活者にとっては嬉しいサービスだ。

コロナ時代のコスト・モデル(概要)

「店を閉めれば収入はない。しかし店を開ければ赤字になる」。コロナ時代に、多くの店舗が直面しているジレンマだ。

コロナ・ショックにより引き起こされた経済不況の中、生活者の財布のひもは固く締められている。食品や生活必需品ならまだしも、他の商品やサービスの場合、「買う気を起こさせる」のは困難を極める偉業だ。