ネットの時代になり、町の書店がどんどん潰れていくなかでも、独自の道を見いだし生き残る書店もあります。
ロサンゼルス郊外にあるこの小さな本屋さんもその一つ。
「STORIES BOOKS & CAFÉ(ストーリーズ・ブックス・アンド・カフェ)」
外観はただの古びた本屋さんという感じですが、店内に入ってみると愛らしい絵やお手製のサインプレート、町の手書きの地図などがいたるところにあり、なんともいえない人間味のある空間となっています。
ストーリーズでは新本も中古本も販売していますが、全米ベスト・セラーになったようなものはほとんど販売していません。
スタッフが是非お客さんに読んでもらいたいと思う選りすぐりの本のみを置いているんです。
そして、この本屋のもう一つの魅力は「ローカル」ということに徹底的にこだわった本屋であること。
店名でも分かるように奥のスペースは小さなカフェになっているのですが、そこではローカルのベーカリーで作られたサンドイッチやローカルでローストされたコーヒーを提供しています。カフェで販売しているジャムやナッツも全て地域近隣で活躍するフード・アーティザンたちから買い付けているものです。
また、このカフェを抜けると中庭に出られるのですが、ここでは定期的に作家を招いての朗読会などのイベントを開催。
朗読会に限らずローカルのミュージシャンを招いての小さなライブが行われることもあり、地元住民の憩いの場となっています。
ローカルのビジネスやアーティストと手を取り合い、共に繁栄し地域に貢献する。
一度訪れるだけで、そんな温かい気持ちが伝わってきて、ついまた足を運びたくなってしまう、そんな本屋さんです。
書店にとっては厳しい時代と言われていますが、地元住民から愛されるこのような素敵な本屋さんが潰れる日はそう簡単には来そうにありません。