テネシー州ナッシュビルで開催されたカンファレンスを終え、ロサンゼルスに戻ってきました。
今回のカンファレンスで最も心に残ったのはライフ・イズ・グッド社CEO(チーフ・エグゼクティブ・オプティミスト)、バート・ジェイコブズ氏のスピーチです。
ライフ・イズ・グッドといえば、アメリカではおなじみのTシャツ・ブランド。
その名のとおり、「人生っていいな~(Life is Good)」や、「リラックスして(Stay Cool)」、「ことを起こそう(Make Things Happen)」などといった前向きなメッセージと、棒線で描かれたようなシンプルな絵柄で知られています。
共同創設者のバートとジョン・ジェイコブズ氏は兄弟。大学卒業後5年間というもの全米を車で旅しながらTシャツをつくり、それらをさばいて生活費の足しにしていたのが起業のきっかけだったとか。
TVや雑誌には暗いニュースばかり。そんな中で、「世の中には良い人がたくさんいて、良いこともたくさんある。根明(ネアカ)なメッセージをもっともっと世の中に発信して、ネガティブ思考を撃退していこう!」という発想から、ライフ・イズ・グッドというブランドが生まれました。
1994年の起業から20年、いまや年商100億円を誇る一大ブランドです。
しかし、ライフ・イズ・グッドはただのTシャツ・ブランドではありません。
強いて言うならば、オプティミスト(楽天家)としてのライフスタイルを柱とするブランドなのです。
事業を通して、子供が子供らしく育つことができる世の中をつくることを目指して、同社は様々な活動を行っています。子供の基金を募る主旨で開催するミュージック・フェスティバルやハロウィーン・シーズンのジャック・ランタン(パンプキンをくりぬいてつくる提灯)づくりイベント。また、毎年純利益の10%を子供関連のチャリティに寄付しています。
「人の暮らしを良くすることがビジネスの本来の目的だ」と熱く語るジェイコブズ氏。『世の中をよくしたい』という人たちの応援があってこそ、ライフ・イズ・グッドは成長してきたのだ、といいます。現代を生きる我々はもはや、商品やサービスの質だけをもとに「どの会社から買うか」を選んでいるのではなく、「その会社の志に共感できるのか否か」、「その会社は、私たちのつくりたい世の中を一緒につくってくれる仲間なのかどうか」を基準にお金の使い道を決めているのです。社会的使命を実直に貫き通すライフ・イズ・グッドは、まさしくこれからの企業のあるべき姿だなあと思ったのでした。