サイバーストークさんが実践する「人(ひと)思い」の仕組み

(2010. 12. 7)

岐阜県恵那市を本拠とする「幸せをはこぶカー用品の会社」サイバーストークさんをご紹介するブログの第二回です。(第一回はこちら→『幸せをはこぶカー用品の会社 サイバーストークさん 第一回』)

私が、サイバーストークさんという会社をひとことで言い表すとしたら、「人(ひと)思いの会社」ということになります。

メンバー(同僚)に対する思い。
お客様に対する思い。
そんな、いろいろな思いが、こんなにまで熱く伝わってくる会社は稀だと思います。

サイバーストークさんの取り組みのひとつに、「WOWボード」というものがあります。
「社内で感動を共有する」ことを目的としたウェブ掲示板で、
社員の皆さんが、日々感動したことを投稿できるようになっています。
投稿には読んだ人がさらに投票をして、共感や賞賛の意を表せるようになっていますが、
投票を得た書き込みは、「WOW達成」ということで、ポイントが授与されます。
でもそのポイントは、書き込んだ本人がもらうのではありません。代わりに、感謝や賞賛のしるしとして同僚にプレゼントすることができるのです。これが、サイバーストークさんの「WOWボード」のユニークなところです。

また、年に二回の業務評価は、社員さん同士が60以上の項目についてお互いを評価するという「360度評価」を実践されています。

ザッポスも、「自己評価」や「同僚からの評価」を非常に重視していますが、
「社員ひとりひとりが成長することは会社が成長することである」
「個々の社員の成長は、同僚の責任でもある」
「みんなで助け合って伸びていく」
という考え方をよく象徴した仕組みであると思います。
「ハイパーポジティブエンハンスメント」といって、
特に、自他共に認める長所の伸展をはかっている、というのも、素晴らしいですね!

サイバーストークさんが実践している「メンバーへの思いやり」は、
例えばこんなところにも表れています。

新しいメンバーを迎える初日には、初日の緊張をほぐし、WOWを提供するWelcomeを。
ブログの写真では、社長の中田さんが、新しく入社されるメンバーの方の名前を、腕にペイントされています。

メンバーだけではなく、来客や取材の方などが来社されるときにも、同様の方法で「ようこそ!」の気持ちを表すとか。

普段顔を合わせることのない営業メンバーとホームオフィスをつなぐ黒板。ねぎらいのメッセージが書かれています。

サイバーストーク社黒板

社員のバースデーには、その人が「生まれてきてくれたこと」、そして、「巡りあえて一緒にいられること」に感謝し、ハッピーバースデーの歌とバースデーケーキでお祝いするそうです。

サイバーストークさんのウェブサイトの「コンセプト」のページには、
「仲間メンバー」という項目があります。
そこに謳われているのは、
「企業は人なり。メンバーが輝けば企業が輝く。夢、想いをカタチにできるのは本気の集団。輝きが価値を創造する。」
です。

Ub|XZ~i[弊社代表の石塚の本『ザッポスの奇跡』にもありますが、
これからは、お客様の「個」、社員の「個」を尊重し、「個」を活かせる企業こそが伸びると思います。
またそのためには、「個」の責任も問われます。この「厳しさ」と「楽しさ」の共存というのは、サイバーストークさんの文化によく表れていると思います。

サイバーストークさんでは、「バリューモーニング」というコア・バリュー朝礼を毎日行っておられるのですが、毎回、3人かそれ以上の社員の方々が、その日ランダムに選ばれたコア・バリューについて想いを語られます。そして、その模様はユーストリームで実況中継されているのです!

ウェブ中継ですから、世界中どこでも、誰でもアクセスして、自由にサイバーストークさんの朝礼を傍聴することができます。台本があるわけでも、リハーサルがあるわけでもない。生の想いを、社員の皆さんが毎朝伝えていらっしゃいます。まさに、「オープンであり、トランスペアレント(可視性が高い)である」ということを実践しておられるのです。

次回は、サイバーストークさん紹介の最終回ですが、私が今回取材してみて感じたことなどを交えて書いてみたいと思います。

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