日本における顧客第一主義は、古くから伝わる「お客様は神様」という意味合いが強い。またCSRは「企業の社会的責任」と訳される。
しかし本著が紹介する「働く人と、顧客と、社会と共に夢を見る」未来企業のほうが、はるかに創造性が高く躍動的だ。利益偏重・株主重視の資本主義経済のイメージが強い米国に、このような未来企業が存在することに驚いた。一方で、同じく米国の人事コンサルティング会社KeneXa High Performance Instituteの調査によれば、日本企業の社員の「やる気」は28ヵ国中ダントツの最下位だという。100年続く会社が全体のわずか0.5%といわれる日本経済の閉塞感を打破できるのは政府の経済対策ではなく、未来企業だと確信している。
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