代表石塚しのぶが米経営の最先端を
戦略的ビジネス眼で読み解きます

サイバー化するクリスマス商戦

さて、「サイバー・マンデー(11月26日)」の業績結果については、多くのニュース・メディアが報道しているので詳しくはそちらを見て欲しい。簡単に要約すると、米国リテール市場におけるこの日のオンライン売上(トラベル、オークション、企業購買を除く)は7.33億ドル(733億円)で、日次売上高としては史上最高を記録した。前年同日と比べると21%の増加であるという。

「ネットが主役?!」と噂のクリスマス商戦2007

先週の金曜日は、アメリカのリテーラーにとって一年で最も重要な日、「ブラック・フライデー」だった。「ブラック・フライデー」といえば、最近は日本のニュースでも報道しているから皆さんよくご存知のことと思う。アメリカ人にとってはクリスマスをめがけたショッピング・シーズンの幕開けで、リテーラーはみな、「ここぞ」とばかりに大幅値引き商品を宣伝に掲げて買い物客を呼び込む。毎年、ウォルマートやターゲットなど、大型ディスカウント店舗の入り口で人が押し合いへし合いしている映像がテレビに映し出される。

Web2.0ライフスタイルの幕開け、そして、ウォルマート時代の終焉

少し前のことになるが、ウォールストリート・ジャーナル紙で、「ウォルマート時代の終焉」についての記事を読んで考えさせられた。ご存知のように、ウォルマートは、アーカンソーというどちらかといえば辺鄙な地域に端を発するにも関わらず、徹底的な低コスト構造に焦点をあてたサプライ・チェーン、それに基づく低価格提供を武器にアメリカのリテール業を制覇するに至った。しかし、2000年代の半ばを過ぎたアメリカにおいて、ウォルマートがリテール業全般に与える影響力は翳りを見せ始めている。そして、その背景にあるのは、「Web2.0ライフスタイル」とでも呼ぶべき、まったく新しい価値観に基づく新しい時代の到来だろう。

大学キャンパスにフォーカスした新進レンタカー・ビジネス

先日、ひょんなことから、UCLAの学生と話す機会があった。4万人近い学生が籍を置くUCLAでは、学生がキャンパス内の駐車場スペースを確保することは極めて難しく、その特権を勝ちうることができるのは抽選に当たった者だけだという。しかも駐車料金はクォーター(14週間)あたり600ドルくらいとものすごく高い。ちなみにこれがどのくらい高いかというと、我々のオフィスがあるビルディング内の駐車場が一カ月100ドルくらいだから、相当のものだ。しかし、アメリカ(特にロサンゼルス)は車社会だから、車がないと生きていけないといっても過言ではない。

米国リテール業界を騒がせる「エコ・ストア」ラッシュ

今、アメリカでは、「エコ・ストア」が花盛りだ。ウォル・マートの「エコ・スーパーセンター」をはじめとして、マス・マーチャンダイザーのJCペニー、オフィス・サプライのステープルズなど、大手リテーラーが競ってエコ・ストアの開店を発表している。2006年に公開された映画『不都合な真実(An Inconvenient Truth)』のアカデミー賞受賞や、ハリウッド・セレブの後押しがきっかけとなり、アメリカでは環境保護に対する熱気が強まってきている。トヨタやホンダなど日本のオートメーカーが牽引するハイブリッド車の人気も、『Green business is a good business(環境に優しいことはビジネスにも有利)』であることを立証し始めている。

MOMAデザイン・ストア日本出店に思う

ミュージーアム・ショップの草分け役として有名なMOMAデザイン・ストアが東京の表参道にオープンするという記事を見た。実は、MOMAストアは、私にとっては個人的な思い入れのある場所だ。MOMAストアがニューヨークに最初にオープンした時には、それはもう画期的なストアで、私もニューヨークを訪れるたびに必ず立ち寄ってショッピングしたものだ。MOMAストアでは、当時から、日本のアーティストによる商品もちらほら取り扱っていた。

MemoryTrends Expoに見た、「思い出産業」の息吹

先日、ラスベガスで開催された見本市に日帰りで行ってきた。この見本市、その名も、MemoryTrends Conference & Expoという、スクラップブッキング・サプライの見本市だ。「スクラップブッキング」とは、日本の皆さんには馴染みの薄い言葉かもしれないが、様々な材料やツールを使って写真をレイアウトし、思い出を語るクラフトのことを指す。ニッチ市場ではあるが、アメリカでは現在急成長している市場であり、今日の市場規模は約25億ドル、2001年以来年間30%近い勢いで拡大しているという。

バーチャルワールドを利用した子供向けマーケティング

先日、ディズニーが子供向けバーチャルワールドのClub Penguinを買収した。ClubPenguinとは、いわゆる『トゥイーン層(8-12歳のプレ・ティーン)』を対象としたバーチャルワールドで、北米に限らず英語圏に住む子供たちを幅広く対象としている。ClubPenguinという名前の通り、住民はみなペンギン。子供たちはペンギンの仮想キャラクターになりすまして、様々なゲームを楽しんだり、他のメンバーたちと交流したりして遊ぶ。

懐かしき「エルビス・プレスリー」

私は特にエルビスの大ファンというわけではないが、彼が活躍していた時代に自分もアメリカでがんばっていた・・・という記憶から、観ると懐かしい。しかし、映像をみていると、若々しいエルビスの周りのミュージシャンやバンドのメンバーが全員かなりの年配で、それが妙だ。そのうちに分かったのだが、実はエルビス活躍していた当時のメンバーが集結していたのだ。エルビスの声はそのままに、ギターやコーラスなどの周りのメンバーがライブで演奏するという粋な計らいが、現代のテクノロジーにより実現しているようだ。

米国ラグジュアリーマーケットに忍び寄るドバイの金力

米ラグジュアリー・リテーラー、バーニーズをめぐって、ユニクロとドバイの投資会社が争ったニュースは日本でもかなり話題になったようだ。その余韻も覚めやらぬうちに、今度は世界最大のカジノ/リゾート・オペレーター、MGMミラージュが、約50億ドルの投資をドバイの会社(ドバイ・ワールド)から受けることを発表した。