ビールを通して世界を幸せにする会社-ヤッホーブルーイング-

 

「ビールに味を!人生に幸せを!」

「よなよなエール」で有名なヤッホーブルーイングの本社を訪問しました。

ヤッホーブルーイングのミッションは、「ビールに味を!人生に幸せを!」。

皆さんにもぜひ、見て欲しいのですが、ホームページもそのミッションのとおり明るく元気いっぱいです。

本や会社紹介パンフレットなどを読んで魅力を感じても、実際にそのオフィスやお店に行ってみると全く雰囲気が違っていて、「なんだ」とがっかりさせられることがよくあります。大義名分が、「ただのイメージ戦略」に終わってしまっている会社と、「企業文化」や「価値観」として浸透している会社の違いです。

しかし、ヤッホーブルーイングは、「これだけミッションを体現している会社もあまりないなあ」と感心させられました。

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社員がミッションを体現する

2008年に「幸せを届ける」ネット通販会社、「ザッポス」を訪問して、その研究を始めた時、コンタクトセンターのオペレーターさんたちが「私たちの仕事は、お客様をハッピーにすること。それは世の中を良くする、意義ある仕事です」と口々に、胸を張って答えるのを聞いて、びっくりするとともに、揺さぶられるように心を動かされたのを覚えています。

ヤッホーブルーイングの社員さんたちの言葉を聞いた時、同じような感動を覚えました。
「ビールを通して、世界を変える。社会を変える。日本を変える」

ザッポスのオペレーターさんに対しては、
「電話に出て、オーダーを受けたり、苦情を受けたりする仕事だろう。何を大げさな」
ヤッホーブルーイングの社員さんたちに対しては、
「たかがビールじゃないか。何を大げさな」
などと揶揄する人たちがいるかもしれません。それは、「ごく普通の」会社の考え方です。

でも、当たり前の話ですが、今の時代、「ごく普通」の考え方をしていては、「ごく普通」の商品やサービスしかできないのです。そして、「ごく普通」のコンタクトセンターや、「ごく普通」のビールでは、お客様の心を掴むことはできません。

「ただの会社ではない」
今後、厳しい時代を生き残っていくためには、このぐらいの気概がないとやっていけないでしょう。「ビールを通して世界平和を目指す会社なんです」とヤッホーブルーイングの、「てんちょ」こと井手社長は言います。

 

個人の強みを最大限に活かす「知的な変わり者集団」

井手社長自ら社内を案内していただいて、いろいろな部署を訪問してたくさんの社員さんたちにお話を聞かせてもらいましたが、皆さん、それぞれの言葉で会社への愛着や商品へのプライド、企業文化への想いを熱く語っていらして、それが何より「自然体」であることが印象に残りました。

ヤッホーブルーイング、井手社長と同社の皆さん

楽天市場の「ショップ・オブ・ザ・イヤー」の受賞式には必ず仮装して登場する井手社長。いわゆる「カリスマ社長」だと思いますが、そのスタイルをいかに継承していくのですか。という質問への答えに、なるほどと頷かされました。

「様々なタイプのリーダーがいていいと思うんですよ。各々が自分の『強み』を活かせばいい。そして各自の『弱み』はチームメイトがカバーする」

ヤッホーブルーイングでは米ギャラップ社が開発した「ストレングスファインダー」を活用して、社員全員が自分の「強み」を把握する、という試みを行っているとか。「知的な変わり者集団」を自称する同社が、まさに社員一人ひとりの個性を尊重し、活かした会社づくりをなさっているのだなあということが、訪問させていただいた数時間を通してビンビン感じられました。

お忙しい時間を割いてインタビューに応じてくださった「てんちょ」、そして社員の皆さん、ほんとうにありがとうございました!!!

ヤッホーブルーイングについてもっと詳しく知りたい方は、井手社長の著書『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります』をご一読ください。