企業文化は百社百様: 戦略的企業文化シリーズ2

言うまでもないことかもしれませんが、企業文化というのは、それぞれの会社にとって独自のものです。

仮に、サービス業にふさわしい企業文化のタイプがあったとしても、サービス業を営む会社すべてが同じ文化をもっているとは限りません。

また、例えば、同じ価値観を持っているからといって二つの会社が同じような文化を持つようになるかというとそうでもありません。なぜかというと、企業文化というのは価値観が目に見える形や仕組みになったものであって、その表現方法は会社によって異なるからです。

ザッポスは、「楽しさとちょっと変わったことを創造せよ」というコア・バリューをもち、個性の尊重を価値観のひとつに掲げています。その表現として、本社の中庭で有志社員が頭を丸刈りにしたり、青のペイントで頭や顔にザッポスのロゴや、ザッポスを象徴する言葉を描いたりするイベントを年に一回行っています。しかし、「個性の尊重」という価値観を掲げているからといって、すべての会社が同様なイベントを行うかというと、そうではありません。

優れた企業文化をもつ会社から学ぼうというとき、ありがちなのは、その会社が何をやっているのか、をそのまま真似ればいいという誤解です。ザッポスのやっていることを真似たからといって、ザッポスのような顧客サービスが提供できるか、あるいはザッポスのような顧客ロイヤルティや従業員ロイヤルティが得られるかというと必ずしもそうではありません。むしろ、「やっていること」の背景にある「目的意識/存在意義」や「価値観」や、「仕組み化の方法」を学ぶことが重要だと思います。「何をするか」は、それらを基盤として、各会社が自らの感性を重視しつつ、独自につくりあげていくべきものだと思うのです。

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