「価値観経営」が急成長の秘密-グッドライフOS

今回の出張の際、グッドライフOSの代表取締役兼CEO、大知さんにお話を聞きました。

グッドライフOSは、「美しい会社を創る」という、とても美しい理念を掲げるビジネス・サポート会社です。

「グッドライフOS」という社名自体、「え、いったい何の会社なの?」と思ってしまうのですが、オフィス家具からオフィスの仲介まで、ビジネスに必要なものをすべて取り揃えるビズオール・ビジネス・プラットフォーム・サービス、OA機器やインターネット回線の提案(オフィスクリエイト事業)、看板型自販機Bord Stationの提供(セールスプロモーション事業)、ウェブアプリ開発や販促品のデザイン(クリエイティブ事業)など幅広い展開をされています。

「グッドライフOS」という社名にこめられた意味は、社員が「グッドライフ(良き人生)」を送るためのOS(基盤)でありたい、という想いからだそうです。社員の幸せを出発点にしているところも、ほんとうに素晴らしい!

「ザッポスを知って、これ(価値観経営)しかない、と思った」と語る大知さん。前年比130%の急成長の理由は独自の「価値観経営」だといいます。

価値観を中核として、「最高の採用」、「最高の教育」、「最高の制度」、「最高のリーダー」、「最高の企業文化」を戦略の5本柱に掲げていますが、なかでも採用は、「命がけ」というくらい力を注いでいるとか。

従業員300人ちょっとの会社ですが、年間5,000から6,000人の応募者があるそうで、そのうち書類選考を通るのは1,000人ぐらい。採用チームや人事担当者との面接を経て、約100人が最終面接まで残ります。その100人を、CEOである大知さん自らが一人あたり1時間半という膨大な時間をかけて審査しているといいます。

手間ひまかけているのは採用だけではありません。新しく会社に入ってきた人たちに一日も早く会社の文化に慣れてもらって、持てる力を最大限に発揮してもらうことを目的とする「オンボーディング」のプロセスとしては、3泊4日の合宿があるそうです。

グッドライフOSの本拠がある大阪から車で数時間で行ける自然の中に身を置き、初日は同社の価値観についての話や「お金の話」をするといいます。

「お金の話?」。大いに興味をひかれて一歩突っ込んで聞いてみました。

「『お金』というものを、人生の価値観のど真ん中に置いてはいないか。それを自問自答してもらいます。突き詰めていくと、お金そのものには価値はない。それを認識したところで、ならば、人生の価値というものを何をもってして測ろうか、という再定義をしてもらうわけです」と、大知さん。(画像:「株式会社グッドライフOS会社案内2014」より)

合宿の2日目はウォークラリーです。30キロのコースをチームに分かれてアタックしますが、条件はただ一つ。「脱落者を出さないこと」です。

「30キロのラリーというと一日がかり。なかには体力のない人もいるわけですが、仲間同士助け合い、励ましあいながら完走することで、強い絆が生まれます」と大知さんは言います。

最終日の3日目は反省会。ウォークラリーの体験を振り返りながら、価値観の話をします。机上の理論ではなく、実体験に照らして話すことで、価値観が何を意味するものなのか、日々の仕事にどのように活かせるのか、腹に落ちやすくなるそうです。

『社員こそがブランド』と、私がコア・バリュー経営の中で提唱していることをまさしく実装しておられて、会社のホームページには全社員の皆さんをユーモアたっぷりのコミック風イラスト、写真つきで紹介するページもあります。

→株式会社グッドライフOSのスタッフ紹介ページ

入社一年目の社員の方の一日を密着取材したビデオもありますので、興味のある人はぜひご覧になってみてください。

→株式会社グッドライフOS -新入社員1日密着-(Youtube)

かつての会社というのは、トップの人だけが目立っていて、社員は「その他大勢」というのが普通でしたが、グッドライフOSでは、物静かで柔和な面持ちの中にも「剛健たる覚悟」を秘めた大知さんの人柄もさることながら、社員の皆さんの一人ひとりが生き生きとしていて、それがウェブサイトの写真や言葉の端々から伝わってくるのでした。共通の価値観を核に、全員が「グッドライフOS」という共同体として結束している中でも、組織を形づくる一人ひとりが各自の個性を色濃く出している、そして、それが会社としてのより強烈な魅力につながっている・・・。コア・バリュー経営が目指すところをまさしく地でいっている会社だなあ、と言葉では表し難い深い感銘を受けた一時間半でした。