トニー・シェイ来日特別チャリティ講演延期に際して-新たな誓い-

(2011. 4. 2)

「日本で一緒にイベントを!・・・」。トニーに来日の予定を知らされ、一緒に『Delivering Happiness』のメッセージを届けようと奮起したのが1月の初めのこと。それ以来、3カ月近くの月日が過ぎました。竜巻のような3カ月。文字通り、「波乱万丈」の3カ月でした。

トニー・シェイのチームと打ち合わせて2日後、日本でのイベント開催を具体化すべく、急遽、東京へ飛びました。イベント運営の専門家や、チャリティに明るい方など、多くの方々のインプットを頂き、理想的なイベント像を描くことができました。

「トニーとイベントをやるのであれば、ただの『セミナー・イベント』にはしたくない!」

「社会に幸せを届ける」会社のあり方を唱えるトニーの考え方と、子供好きな彼の人柄、そして、『学び』に対する私自身のパッションとを併せて考慮した挙句、子供たちの未来をサポートするチャリティを目的としたイベントを企画したいと考えました。

私の会社のリサーチ・チームも動員していくつかの候補を検討したのですが、その中でも最も私の関心をとらえたのが、ルーム・トゥー・リード・ジャパン。サンフランシスコを本拠とするグローバルNPOであり、アジアやアフリカの子供たちに教育機会を与えるために活動を行っている・・・。日本でも活発なサポート体制がある・・・ということをベースとして、協力をお願いしたいと思いました。

ルーム・トゥー・リード・ジャパンの事務局代表である松丸佳穂さんも、我々のイベント・ビジョンに賛同してくださり、予約受付がオープンしたのが2月8日(火)。

当初は、実は、「入場料1万円で500人集めるなんて無理だ・・・」という声もありましたが、予約登録100人を受付開始後2日間で達成。定員の500人に達するのもあっと言う間(23日間)でした。

その後も続々と入ってくる予約登録に触発され、「できるだけ多くの人に集まっていただきたい」と、500人以上収容できる会場の確保にも励みました。

その結果、ルーム・トゥー・リード・ジャパンのお世話で、コレド室町の日本橋三井ホールという素晴らしい会場を確保することができました。

「これなら、600人受け付けても大丈夫かも・・・」とルーム・トゥー・リードとも話し合い、あとは4月16日(土)に向け、よりスペシャルなイベントにするために奔走するのみだ・・・と考えていた矢先に、日本を大震災が襲いました。

最初の揺れが襲った3月11日(金)。私は偶然、出張で東京に居合わせました。これまで体験したこともないような大きく長い揺れにも驚きましたが、その後、テレビを通じて放送された東北地方の危機的な状況に驚愕しました。

Ub|XZ~i[私自身はその次の週にロサンゼルスに帰宅し、当然、日米両方のニュースを追い、日本の状況を把握するように努めました。日米のニュース報道のギャップにあきれたり、苛立ちを覚えたりしつつ、トニー・シェイや彼のビジネス・パートナーであるジェン・リム氏(Delivering Happiness, LLC. CEO兼チーフ・ハピネス・オフィサー)とも、毎日のように通信をして、正しい情報の伝達に注力しました。

今回、トニー・シェイ側の判断で「延期」が決まったことに関しては、日本でこのイベントを楽しみにされていた方々の気持ちを思うと、私自身、非常に残念でなりません。しかし、トニーは年商15億ドルの会社の長であり、自分ひとりの判断では決めたくても決められない難しさがあったのだろうと察します。私も、トニー・シェイも、「なるべく早いうちに必ず実現しよう!」という強い想いを持っていますし、皆さんの意見を伺い、新しい企画をたくさん盛り込んでいくことで、より意義深く、よりパワフルなイベントにできるのではないかと思っています。

また、当初は定員500名ということで募集させていただいたのですが、実施する際には、「希望者の数に合わせて会場を手配する」というように考えています。1000人が集うイベントだってあり得る・・・という夢も抱いています。

今回の震災や、それを取り巻く諸々の出来事から私が学んでいること。それは、日本人がいかに思いやりに溢れ、団結力に富み、打たれ強い国民であるか、ということです。柔らかな感性を持ちつつ、強靭な精神を持ち合わせた・・・。そんな日本の国と人が、同じ日本人としてとてもいとおしく思えました。

日本にいても被災しなかった人たちや、海外にある我々が、自らの持ち場を守りつつ、自らの能力を発揮してできることがたくさんあると私は思っています。こんな時にこそ、一人ひとりが「個」の力を発揮する、「個」の力が最大限に発揮され、それが集結されるこそ、世の中を動かす大きな力になる・・・。皆さんと力を合わせて、今までにも増してより素晴らしい日本を創っていきたいと心から思うのです。

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