フォーチュン誌『最も働きたい会社ベスト100』でザッポスが堂々6位!!!

(2011. 1. 20)

トニーをはじめザッポニアンのツイッター・アカウントをいくつかフォローしていますが、今朝、目に入ってきたのは、

フォーチュン誌の最も働きたい会社

「フォーチュン誌の『最も働きたい会社』、今年は6位!」

という誇らしげなツイートでした。

2009年にザッポスは同ランキングに23位で初登場、翌年2010年には15位にランクインし、今年はより上位に食い込むのではないかと、私も密に期待していたところでした。

でも、「6位」というのは、正直言って予測以上に高いランクでした。

「ベスト100」の表を見ていて、まず注意をひかれたのは、ザッポスの驚異的な雇用成長率。「最も働きたい会社」といえども、大不況の中、社員数が減少傾向の会社も目立つ中で、ザッポスの雇用成長率は前年比37%アップのダントツ一位を誇っています。(ちなみに、同じく37%で一位を引き分けたのはバルフォア・ビーティ・コンストラクションという英資本の建設会社。)

また、「ベスト100」のデータ・シートを見て思ったのは、

「社員ハピネスの秘密を突き止めるには表層的な事実だけではなく、内に入って観察しないと見えない感覚的、感情的な要因を見据える必要がある」ということです。

「最も働きたい会社」の評価事項の中に、「給料」と「Perks(特典)」というものがあるのですが、「Perks(特典)」とは、会社による医療保険負担など一般の福利厚生的なものも含めて、「社内ジム」や「社内託児所」など、社員ゆえに受けられる恩恵すべてを含むものです。

『ザッポスの奇跡』の中でも書いているように、「給料」に関しては、ザッポスは特別に良いわけではありません。今年の「上位100社」を見てみても、ザッポスは年俸制の社員の場合82位、時給制の社員の場合90位に位置しています。

そして、「Perks(特典)」を見ても、「ヘルスケア、社内託児所の有無、ワーク・ライフ・バランス、自宅勤務の有無、サバティカル(長期有給休暇)」などの副項目がある中、ザッポスが秀でているとされるのは「ヘルスケア」だけです(ザッポスのように、会社が医療保険の100%を負担するのは、上位100社の中でもわずか14社)。

「風変わりなPerks(特典)」の項目に、「ライフ・コーチ」の存在が記載してありますが(ザッポスでは社内に常勤ライフ・コーチを置き、コーチング・サービスを社員に無料で提供している)、ザッポスが「目だって」いるところと言えばそのくらいです。

にも関わらず、ザッポスは私がこれまで訪れ、研究してきた米国企業の中で、社員が最もハッピーに、生き生きと仕事をしている会社なのです。

そんなことを考えていたら、トニー・シェイが愛読書として挙げているポジティブ・サイコロジーの本 『The Happiness Hypothesis』 の中の一節が頭に浮かんできました。

「(幸せは内面からもたらされるものだという考え方は実は十分ではなく、)幸せというのは、人と人との関係からもたらされるものなのである」

同僚の誕生日を祝うザッポス社員たち

ザッポスを訪れる時いつも実感するのは、社員の人たちからあふれ出る会社への誇りと愛情、そして、社員の人たちがお互いに対して抱いている強い絆と愛情です。

「困った時に必ず助けてくれる友人がいる」、「喜びも痛みも共有できる親友がいる」と、社員たちとのインタビューの中でも繰り返し聞いた言葉が、ザッポスという会社の固い結束と深い愛情を物語っています。

Ub|XZ~i[ザッポスの場合、社員たちが自分のキャリア・パスを自分でデザインできる制度や、常に学び、向上していける教育制度など、フォーチュン誌の記事の中にはリストされていない素晴らしい制度もたくさんあるのですが、「社員ハピネス」の源泉になっているのは、やはり、社員同士の強い絆と愛情なのではないかな、と思ったのでした。

「信頼できる仲間と、同じ目標に向かって進んでいるという確信」。それは、目には見えないことですし、定量化もし難いことだけれど、人間にとって実は最も重要なことなのではないか、と私は思います。

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