地域社会にも、『Delivering Happiness(幸せを届ける)』-ザッポスCEOトニー・シェイとの2011年新年インタビュー

(2011. 1. 19)

「ラスベガス市庁舎のニュースを聞いた?」

インタビューの席につくなり、トニーが発した第一声がそれでした。

普段からまさに「ポーカーフェイス」で、決して興奮して大きな声を出したりすることのないトニーですが、わずかに身を乗り出すような素振りから、彼自身のエキサイトメントが伝わってきました。

ザッポスの移転計画を語るザッポスCEOトニー・シェイ

思い返せば、昨年4月に、2カ月後の6月に控えた『Delivering Happiness(邦訳『ザッポス伝説』)』の出版記念インタビューを行った時、トニーは、「フレッド・モズラーと一緒に手がけているシークレット・プロジェクト」についてほのめかしていました。もちろん、「シークレットだから内容は言えない・・・」と、ザッポス社員に対してさえも秘密裏に進められていたプロジェクトだったのですが、それがラスベガス市庁舎への本社移転計画だったとは・・・。

ザッポス本社を現ラスベガス市庁舎に移転するというだけではなく、市庁舎の周辺12エーカー(約14,690坪)の開発計画も視野に入れたこのプロジェクトは、カジノ・リゾートが立ち並ぶラスベガス・ストリップ(大通り)の陰に隠れ、発展が長年立ち遅れてきたラスベガスのダウンタウン地区を活性化するという社会貢献の意義も秘めています。

「ダウンタウン・ラスベガスにとって転機となる出来事」と、ラスベガス市長オスカー・グッドマン氏の言葉にもあるように、地域社会に大きく貢献する歴史的な企業プロジェクトとして注目されています(⇒もっと知りたい人はこのブログをどうぞ⇒『ザッポス本社がラスベガス市庁舎に移転!』)。

「どんなことを考えているのか、構想を知りたい」と、ふってみると、

「実際に引っ越すのはまだ1年半から2年も先のこと。アイデア・ステージで、具体的なことはまだ決まっていない」とかわされてしまいました。

人をびっくりさせる「サプライズ」が大好きなトニー。考えていることは山ほどあるのでしょうが、アイデアがある程度固まって、披露できるパーフェクトなタイミングを待っているのだ、と思わせる表情でした。

このニュースはザッポス社員にとっても非常にエキサイティングなことらしく、会う人、会う人、まるで挨拶代わりのように、

「ラスベガス市庁舎のニュースを聞いた?」

と、口々に聞かれました。

Ub|XZ~i[「ザッポスはただ急成長しているだけじゃない。地域の活性化にも一肌脱いで貢献しようとしている・・・。そんな会社に働いていると知って、改めて誇りに思うよ」

というのは、インタビューの日に我々を空港でピックアップしてくれたドライバー、ランディの言葉ですが、彼に限らず、どの社員の言葉にも、その根底にある「誇り」が感じられます。

トニーいわく、「具体的なことは何も決まっておらず、契約の詳細もまだ固まっていない」状態だそうですが、噂によれば、トニーの右腕的存在であるトップ・エグゼクティブ、フレッド・モズラーは、もう既にダウンタウン地区に二軒のレストランを所有しているということでした。(ちなみに一軒はメキシコ料理店、もう一軒はイタリア料理店です。)

パーティ好きのザッポニアンのことですから、何はともあれ、ダウンタウン地区のナイトライフが潤うことは想像に難くありません。

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