先週の木曜日にロサンゼルスに帰ってきたばかりなのですが、今回の日本出張は、まさに、「企業文化に浸る」遍歴の旅でした。
5月に行った「ザッポス・エクスペリエンス・セミナー」の参加者の方々も含め、いろいろな企業の方々とお会いする機会があり、企業文化をつくる楽しさや、また、産みの苦しみについて語り合うとともに、様々な素晴らしい文化を「体感」する機会をいただきました。
その中には、あっと驚くようなことや、思わず笑ってしまうようなことや、感心のあまり「う～ん」と唸ってしまうようなことがたくさんありました。それらを、私ひとりの胸の中に収めているだけではもったいないので、この場を通じて読者の皆さんにもシェアしていきたいと思います。
日本出張のファースト・ストップは、5月の「ザッポス・エクスペリエンス・セミナー」の参加者でもある、株式会社サイバーストークさん主催の報告会。
東京から名古屋へ新幹線に揺られて1時間半。そしてさらに車で1時間半という旅路を経て辿りついた岐阜県恵那市。サイバーストークの中田社長も熱い人ですが、中田さんに勝るとも劣らぬ熱い面々に迎えられて、私も燃え上がりました。
サイバーストークさんといえば、5月のセミナー以来、企業文化育成のありとあらゆる試みを超・猛スピードで進めてらっしゃいます。
その実行力たるや、「日本の会社も負けてはいないぞ！」とザッポスの人々にも紹介したいくらいです。
サイバーストークさんでやっていることのひとつとして、社員の皆さんが会社のコア・バリューについて語り合う、「コア・バリュー朝礼」があります。
なんとその朝礼をUSTREAMで実況中継していらっしゃるんです。それも、毎朝です。
その名も、「VALUE MORNING（バリュー・モーニング）」。中田さんをはじめとして社員の皆さんが、普段着の、飾らない言葉で発言している会議を、そのまんま放送しています。ザッポスも提唱している「トランスパレンシー（透明性）」ということを、ほんとに実践している。なかなか度胸のいることだと思います。
また、「WOWボード」というのも、これもとても面白い試みです。これはウェブ上の掲示板で、社員の皆さんが、会社の生活の中で、「WOW!」と思ったことを投稿していく仕組みです。WOWの提供は、社員からお客様にでも、社員同士でもいい。感心した、感激した、心が温まった、と思うことをどんどん書き込んでいくんです。そして、「これはほんとにすごいな」と思う書き込みに、社員のみんながお互いに投票をしていく。二票集まったら、ちょっとした賞金が会社から支給されるそうですが、この賞金を、誰かひとりが貰うのではなくて、社員全員で分け合う仕組みになっているんです。
この「WOWボード」。現時点では一般公開はされていないそうなのですが、特別に拝見させてもらいました！エントリーを読んでいると、サイバーストークさんという「会社」を超えて、それを形づくる社員の方々の顔が見えてきますし、コメントなどのやり取りを見ていても、社員の人たちの仲の良さそうな感じや、お客様を思う情熱が伝わってきます。
そして、サイバーストークの18のコア・バリューもきちんと成文化されて、ウェブサイトにも掲載されています。一つひとつのコア・バリューが社員の人たちの直筆で表現されているのも、サイバーストークさんならではの「味」だと思います。
サイバーストークさんでは、なんとこのコア・バリューをシールにして社員の人たちが自分のメモ帳に貼ったりして自由に使えるようにしているそうです。私も、報告会に参加した際に中田さんからこのシールをいただきました。
これらすべてを、サイバーストークさんでは、二カ月間足らずのうちに実行に移してしまったんです。これからの企業に必要なのは、この「スピード感」ではないかと思います。そして、リーダーの度胸。中田さんも度々ツイッターを通してつぶやいておられますが、リーダーの覚悟と行動あるのみではないかと思います。問題はやるかやらないか。そして、今後、「企業文化に真剣に取り組む企業」と、「取り組まない企業」との間には、大きな差が出てくると思います。
話を元に戻すと、岐阜県恵那市で行われた報告会は、さながら「決起集会」といった感じで、これから、良い会社をつくることで日本を良くしていこう、という熱い思いをもった同志たちがたくさん集まりました。若い起業家の皆さんばかりではなく、大和魂に溢れ、若手起業家たちの師と仰がれている「仙人（と私は呼ばせていただいていますが、徳増さんという方です）」にお会いできたことも、私にとってはとても刺激的でした。私も熱い人間ですので、熱い人たちとの出会いには心が躍ります。楽しい会合をありがとうございました。
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