今日は取材秘話というか、ザッポスを取材した際に私がとてもよく実感できたことで、今、私の会社でも、スタッフと共に日々心して取り組んでいることについて書きます。
それは、「『意識』からスタートする」ということです。
例えば、会社の中で、何か望ましくない行動があった時、普通の反応は、その「行動」自体にフォーカスすることだと思います。時間に遅れた人には、「遅れないように!」
連絡の悪い人には、「ちゃんと連絡するように!」
ミスの多い人には、「ミスをなくすように!」
確かに、結果的には、それが到達したい成果だけれども、行動を咎めたからといって、結果が正されるかというとそうではない。
ではどうするか?
ザッポスでは、社員の誰もが、『コア・バリュー』を出発点に考えています。
「サービスを通して、WOW(驚嘆)を届けよ」という『意識』があるからこそ、肉親の死を悼んでいる人に花を贈る、という『行動』があります。
ザッポスでは、マネジャーもこれをよく心得ていると思います。
だから、仮に間違いが起こったときにも、行動を咎めるのではなく、意識を正すのです。
「あなたのとった行動は、我々のコア・バリューに合致していますか?」
「合致していないとしたら、どこがずれているのでしょう?」
「コア・バリューに沿って対処するとしたら、どんな行動になると思いますか?」
そういう問いかけをしていくのだと思います。
これを私の会社に置き換えると・・・。
時間に遅れた人がいたとします。
かつては、「なんで遅れるんだ!」、「遅れるな!」と叱っていました。
『行動』を咎めていたわけです。
でも、今は、『意識』を問い、正すようにしています。
我々の会社には、『人に思いやりをもって行動する』という、コア・バリューがあります。
先ほどの行動を、コア・バリューという『意識』を出発点に考えると、
「時間に遅れる」ことが、我々の会社では、なぜ望ましくないのかというと、
「人への思いやりを欠く行動だから」ということになります。
あなたが時間に遅れると、みんなを待たせることになる。
あなたが時間に遅れると、みんながやきもきする。
あなたが時間に遅れると、あなたがやるべき仕事を、他の人が肩代わりしなくてはならない。
「だから、時間に遅れることはいけないことです」という指摘の仕方になります。
『行動』を咎めても、直らない。
なんで直らないんだろう・・・と、常々憤り、悩んできました。
『行動』を咎めても、根本の『意識』に対する理解の欠如や、ずれがあるから、直らないのだ。
と、ザッポスからの学びを通して、悟ることができました。
ですから、今、我々の会社で心がけているのは、
「いつも、『意識』を出発点として、考え、行動する」ことです。
まだ、いろいろな躓きもあり、旅路の途中ではありますが・・・。
『意識』を出発点として、考え、行動する、あるいは、評価する。それが、社員のひとりひとりに、みごとに浸透していることが、ザッポスという会社のすごさなのです。
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