(2008年3月24日)
今朝、家を出る支度をしているとオフィスから電話があり、アルファブロガーの小飼弾氏が同氏のブログ、404 Blog Not Foundに拙著の書評を書いてくださったとのこと。ロサンゼルスから本を送り出したのはつい先週末のことだったので、「書評を書いていただいた」ことだけでもびっくりだったのですが、疾風のようなその速さに二重に驚かされました。小飼氏ご本人からEメールでお知らせをいただき、感謝感激で読ませていただいた書評に、またもや仰天。まったく、「不意をつかれた」という感じです。「紺屋の白袴」なタイトル、というご指摘はごもっともだと思いましたし、私がつけた、あまりにも平凡なタイトルの代わりに、「読者との距離感を縮める」ぴりりとスパイスの効いたタイトルを考案いただいて思わず唸りました。さすが、アルファブロガー、小飼弾氏ならではだと思いました。
小飼氏が指摘しておられるところの、「距離感」という言葉。その言葉を目の前に提示していただいて初めて、私自身頭の中にあったものが形をなすような気がしました。この「距離感」という視点を借りて言えば、ウェブ時代の企業がやらなくてはならないことは、個々の顧客との距離だけではなく、その背後にいる「無限大の顧客」との距離を縮めるということなのだといえます。『・・・私に献本したことで、顧客との距離はいくばくかは縮まったはずである。』という同氏の言葉どおり、アルファブロガーとして背後に「無限大の顧客」を抱えておられる小飼氏の力を借り、著者である私と、読者との距離を縮めたい、というのが献本させていただく上での意図でしたが、深い洞察が詰まった、ずしりと重い書評を書いていただいたことにより、この意図は見事に成就されたような気がします。本当にありがとうございました。
ところで、小飼氏は、書評の末尾に「Dan the Middleman」と書いておられます。この、「Middleman」という言葉は、長年にわたり流通業を研究してきた私にとって、馴染みの深い言葉です。「New Middleman」をテーマに日本で講演したこともありますが、「中間業者」、「仲買」といったような訳語では、なんだかしっくりこない、日本語に訳しにくい言葉であり、やはり、「ミドルマン」と表現するより他にない気がします。「Middleman」というのは、製造業者と最終顧客の間に立ちただ単にモノを「仲買」するのではなく、情報を整理、分析したり、あるいは加工したりと、最終顧客に、何らかの「付加価値」を提供する役割を担っています。書評家として、小飼氏が果たされている役割は、まさしくこの「Middleman」のそれであるといえるでしょう。今回の書評においても、小飼氏は、私と読者の間に立ち、読書というエクスペリエンスに付加価値を与えてくださっているからです。同氏の真摯な批評に心から感謝しています。



