[本]のメルマガ」 vol.317 「ベストセラー、一歩手前」コーナーで、著者インタビューを紹介いただきましたので、以下に掲載します。(2008年4月6日発刊)
◆ 質問一覧
-この本が誕生したきっかけを教えて下さい。
-なぜこの出版社に決まったのですか?
-編集の担当の方に一言!
-書籍を形にするまでにいちばん苦労したことは?
-書籍を出版していちばんうれしかったことを教えてください。
-これから本を出したいんだけど、という方にアドバイスを!
-最後に書籍の宣伝をどうぞ!
◆ インタビュー
この本が誕生したきっかけを教えて下さい。
日米間ビジネスのコンサルタント業を始めて25周年ということで、これまで私が蓄えてきた知識、経験の集大成として一冊の本を書きたいと思いました。ただし、読者にとっても面白く、ためになる本にしたかったので、今、アメリカの流通市場に巻き起こっている大きな嵐、「顧客主導化」ということに焦点を置いて、流通、医療、行政サービスという幅広い分野にまたがる企業や組織がどういった試みを行っているのか、ということをわかりやすく事例を挙げてまとめてみました。
私は、アメリカの流通業界、特にオフィス用品の流通については過去20年間以上にわたって観察・研究を続けてきましたので、ただ今日の状況を過去と断絶した形で書くのではなく、過去から現在、という経緯を読者が理解し、読者なりの未来像を描くことができるように工夫を凝らしました。
アメリカの流通市場における「地殻変動」とも呼ぶべきすさまじい変化を目の当たりにしながら、こういった劇的な変化がいずれ日本の流通市場にも訪れると確信し、アメリカの状況をいち早く知り、そしてその動きを構造的に理解することで、日本の経営者の皆さんに、今後の戦略や指針を定めていく上で役立てて欲しいと強く感じたこと、それが本を書く上でのきっかけとなりました。
なぜこの出版社に決まったのですか?
私はアメリカに住み、アメリカで会社を経営していて、日本には年間4、5回出張する程度です。そういった現実の中で、日本語で本を出版したい、と思い立った時、以前から連載記事を書いたりでご縁のあったマーケティング情報誌『月刊アイ・エム・プレス』の西村社長に相談し、原稿を読んでいただいたりしていました。本書の「あとがき」にも書きましたが、そこで西村社長がいわば本書の「代理母」となり奔走して下さった結果、インプレス・コミュニケーションズから出していただくことになりました。日本の出版事情については、私はまったくの門外漢ですから、気心の知れた方に仲介役を務めていただいて、本当に助かりました。
編集の担当の方に一言!
仕事柄、レポートを書いたり、業界誌に記事を執筆したりすることには慣れているつもりなのですが、本を出すのとレポートを書くのとでは、似ているようで全然違う、ということを実感させられました。英語の専門用語の微妙なニュアンスを、日本語でどう言い換えたらよいのかなど、苦労した点もたくさんありましたが、私のこだわりに最後まで付き合っていただいて本当に感謝しています。
書籍を形にするまでにいちばん苦労したことは?
本書は、アメリカの流通市場において、ウェブの進展によって急速に加速化している「顧客主導化」の動きに主題を置いているわけですが、今日、日本の流通業の目はアメリカではなく、中国をはじめとするアジア市場に向いているという現実があります。「市場進出」という意味では特にそうです。いわゆる「アメリカ離れ」という風潮がある中で、どういう書き方をしたら読者に納得して読んでもらえるのか、というところに最も頭を悩ませました。
実は、出版社が決まる前に、原稿をいろいろな編集者に読んでもらい、意見を伺ったのですが、「今は、誰もアメリカには興味を持っていない」という意味の答えをたくさん聞きました。人によっては、「できれば『アメリカ』という言葉は使わない方がいい」とまで言う編集者もいました。
しかし私は、長年アメリカの流通市場を研究してきた人間ですし、ビジネスにおける先進的なモデルや仕組みという点ではまだまだ日本がアメリカから学べることがたくさんあると信じています。また、私が長年培ってきた経験や知識を活かせないのであれば、本を書く意味はない、とも思いましたので、自分の主張を明確に表現しつつ、日本の読者に納得して読んでもらえる本にするという点に、一番苦労しました。
書籍を出版していちばんうれしかったことを教えてください。
出版を通して、同じ分野に興味を持っている人たち、あるいは、各分野における見識者の方々とお会いし、意見を交換させていただくことができました。もし、出版ということがなかったら、こういう機会に恵まれることはなかったでしょう。私にとっては、こういった方々との出会いが、一番の収穫でしたし、一番嬉しかったことです。
これから本を出したいんだけど、という方にアドバイスを!
先にも触れましたが、この本を書くにあたって、編集者、あるいは業界の人に限らず、いろいろな人に原稿を読んでもらい、意見を聞きました。これは別に、初めて本を出す人に限ったことではないと思いますが、本を書くプロセスの中で、第三者の視点、あるいは読者の視点を原稿に反映させることが必要だと思います。本書は、一年くらいの期間にわたって校正、再校正、再々校正を経て書かれたものですが、これは、「うん」と頷けるような意見を人から聞くたびに書き直しを加えたからです。
人は誰でも、ネガティブな意見を聞くのはいやなものですし、私もそういった意見をもらって腹を立てたこともありましたが、結局はそれが刺激になり、より良い本をつくる上での肥やしになったと思っています。率直な意見をくれたすべての人たちにとても感謝しています。
最後に書籍の宣伝をどうぞ!
この本は俗に言う「ハウツー本」ではなく、内容を理解した上で自分で発想できる人たちのための本です。「ハウツー本」は、ある物事を成し遂げるために、「どうしたらいいか」ということを教える本ですが、ひとつの方法が全ての人にあてはまるかというとそうではありません。特に、経営者やリーダーには、会社や社会における役割上、自分で考え、自分なりの方法を編み出すことが要求されると思います。「ハウツー本」は、「どうしたらいいか」ということをわかりやすく説いてくれますが、その効力は限られていると思います。
本書は、アメリカにおける実例を挙げ、市場における事象を読み解きながら、読者にヒントを与えることを狙いとしています。「どうしたらいいか」ということを具体的に考えるのは、あくまで読者自身の、読後の仕事ということになります。そういった意味で、「簡単に読める本」ではないかもしれませんが、グローバル化する市場の中で、企業人が、市場の「今後」を考えていくには役に立つ本だと自負しています。
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