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	<title>ダイナ・サーチ石塚しのぶのブログ</title>
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	<description>アメリカ先進企業の事例から革新のヒントを探ります。 小売からメディアまで、生活者の視点を巧みにとらえた企業革新事例を探る。</description>
	<lastBuildDate>Thu, 17 May 2012 22:59:47 +0000</lastBuildDate>
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		<title>店舗小売業に問う－ネットへの対抗策は果たして、「テクノロジー」か？</title>
		<link>http://www.dyna-search.com/blog/2012/05/11812</link>
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		<pubDate>Thu, 10 May 2012 22:20:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator>石塚しのぶ</dc:creator>
				<category><![CDATA[石塚しのぶのブログ]]></category>
		<category><![CDATA[アマゾン]]></category>
		<category><![CDATA[ショールーミング]]></category>
		<category><![CDATA[ターゲット]]></category>
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		<description><![CDATA[アマゾンを筆頭にした「ネット通販」が幅を利かせるにつれ、店舗がショールーム化するという「ショールーミング(Showrooming)」という言葉が米ビジネス界では頻繁に聞かれるようになった。顧客が店舗をショールームとして利用する、つまり、店舗に行っても商品を見たり触ったりするだけで購入はせず、代わりにネットに行って購入することを指す言葉だ。<a href="http://www.dyna-search.com/blog/2012/05/11812">⇒続きを読む</a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>アマゾンを筆頭にした「ネット通販」が幅を利かせるにつれ、店舗がショールーム化するという「ショールーミング(Showrooming)」という言葉が米ビジネス界では頻繁に聞かれるようになった。顧客が店舗をショールームとして利用する、つまり、店舗に行っても商品を見たり触ったりするだけで購入はせず、代わりにネットに行って購入することを指す言葉だ。</p>
<p>そう思っていたら、今度は、ジオ・フェンシング(Geofencing)なんていう新語が飛び出した。「ジオ」は「ジオグラフィー（地理/地形）」の「ジオ」、「フェンシング」はスポーツのフェンシングではなく、「フェンス（囲い）」の意らしい。</p>
<p><img src="/blog/wp-content/uploads/2012/05/cellphone.jpg" align="right" style="margin-left:10px; margin-bottom: 5px;" alt="スマートフォンの利用">意味合い的には、店舗小売業者が顧客のロケーション情報（地理情報）を利用して、店の周りにバーチャルのフェンスを築き、客寄せを図ることを指す。具体的には、店の近辺にいる顧客のスマホに販促情報を送り、集客を図るというものらしい。</p>
<p>店舗小売業者にとっては、「ショールーミング」への対抗策であり、また、すっかり「店舗小売業者の敵」と化してしまったスマホを味方につけようという必死の試みである。</p>
<p>なぜ、スマホが「店舗小売業者の敵」かというと、現在、米生活者が店舗でのショッピングにスマホを利用する方法というと、最もメジャーなのが「価格比較」だからである。顧客は店舗でスマホのアプリを開き、商品のバーコードをスキャンして、ネット・ショップ、あるいは最寄の店でより安いところはないか瞬時に探し当てる。店舗にとっては、競争のバトルグラウンドを「価格」に引き下げてしまう憎むべきツールなのである。</p>
<p>そのスマホを「価格比較」にではなく、「顧客と店とをつなぐ導管」として、「お買い物サポートツール」として使ってもらおうというのが、「ジオフェンシング」の試みである。昨今の技術をもってすれば難しいことではないだろうし、聞いてみればなかなか便利なものではある。しかし、ここにはひとつ落とし穴がある。</p>
<p>当然のことだが、誰彼かまわずメッセージを送りつけるわけにはいかない。顧客が販促情報を受け取ることに「オプト・イン」する、パーミッション（許可）を与える、というのが前提である。つまり、顧客が店舗に対して既にある程度のロイヤルティ、あるいは好意を持っていなければ始まらないのだ。</p>
<p>米中西部にマイヤーというスーパーマーケット・チェーンがある。マイヤーのスマートフォン・アプリは、ウェブとモバイルと店舗をつなぐ、まさに最先端の「お買い物サポートツール」である。顧客は、マイヤーのウェブサイトにログインして買い物リストをつくり、来店した際にスマホのアプリをオープンする。すると、店内で顧客がいる位置を読み込んで、順路をはじき出しリストを並びかえてくれる。購入履歴に基づいてクーポンが送られてきたりもする。確かに便利は便利だが、あくまで、「既にマイヤーのお客さんである」という前提に基づいてはじめて意味をもつツールだろう。このツールのために、他店で買い物をしていた人がマイヤーに乗り換える、ということはどうも考えにくい。<br />
<br />
<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/05/tjs.jpg" alt="トレーダージョーズの概観" width="450" height="232"><br />
<br />
テクノロジーの活用で我々の生活を一層暮らしやすいものにする、という試みは結構なことだが、現実を見れば、テクノロジーなんて活用しなくても顧客の心を掴んでいるお店はたくさんある。例えば、私が贔屓にしているスーパー、<a href="/blog/2009/07/275">トレーダー・ジョー</a>。この会社については、私も<a href="/jp/972">弊社スタッフも以前ブログ</a>に書いている。このところ毎日のようにこの店に通っているが、トレーダー・ジョーはある意味「ロウテク」な店だ。今流行りのソーシャル・メディア活動に手を染めることもなければ、もちろんアプリなんて一切ない。でも、顧客の心はしっかり掴んでいる。その「顧客愛」の威力といえば、顧客が立ち上げた非公式のFBページには45万人のファンがつき、レシピ本まで出てしまうほどなのだ。それも、トレーダー・ジョーが仕掛けているわけではない。</p>
<p>その熱烈な愛情、ファン意識はどこから来るのか？というと、その理由も至ってロウテクなものだ。まず、トレーダー・ジョーでは、お店の人たちがとても楽しそうに仕事をしている。レジでは、一人ひとりの顧客とフレンドリーに会話に興じる。お薦めの商品や調理法を教えてくれたりする。店内の誰に声をかけても、親身に、手間と時間をかけて対応してくれる。年商85億ドル（推定）の大型チェーンなのに、「近所のお店」のようにあったかい。だから、明日もまた行きたくなる。</p>
<p>米ディスカウント・チェーンでウォルマートに次ぐターゲットという会社がある。店舗小売業の類にもれず、ターゲットも「ショールーミング」に悩まされている。今年の初め、ターゲットのCEOは、仕入先企業に公開レターを送り、その中で、「我々はアマゾンのショールームにはならない」と宣言した。そのターゲットが、先日、アマゾンの電子書籍リーダー、キンドルの取扱を止めたのだが、これは、アマゾンに対する宣戦布告であると業界では考えられている。折りしも、ターゲットはアップル商品のインストア展開を始めるので、アップルの圧力かという噂もあったのだが、大手ブックストア・チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルの電子書籍リーダーであるヌックは依然として取扱を続けているのだから、アマゾンのみを敵視した行為とみて間違いないだろう。<br />
<br />
<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/05/target.jpg" alt="ターゲットのチェックアウトカウンター"><br />
<br />
ところで、ここで私がターゲットやその他の小売店舗に提言したいのは、ネット・ショップに腹を立てる以前に、「なぜ顧客の心が離れてしまったのか」、その根本のところを今一度考えてみてはどうかということだ。テクノロジーの活用や、ライバルへの対抗意識ミエミエの反動的行動に走る前に、「顧客に愛される店舗づくり」ができているかどうか、自問自答してみることが先決ではないか。</p>
<p>ターゲットは、ワンランク上の商品を低価格で提供し、スタイリッシュで楽しい暮らし設計を支援する、というコンセプトで90年代から2000年代のはじめにかけて一世を風靡した企業だ。しかし、近年その店は死んでいる。店員に笑顔はなく、みな退屈そうに仕事をこなしている。レジの列は最短時間で顧客を処理するアッセンブリー・ラインにすぎない。そこには、「楽しいショッピング体験」、「また来たいという感動」、「愛着、あたたかみ」は微塵もない。</p>
<p>顧客が自社店舗の名前を口に出したり、思い浮かべたりする時、どんな感情を抱くか。そこには、微笑みや親しみや、仲間意識があるだろうか。それとも、不快感がこみ上げたり、心が冷たくなったりするだろうか。顧客は「人」であり、人を動かすのは「感情」であることを、店舗小売業の人たちは見つめなおさなくてはならない。低価格戦略、商品戦略、IT戦略など、これまでの小売業はそういった周辺のことばかりにこだわり、根本を忘れてきたように思う。いかに優れたアプリをつくったところで始まらない。むしろ、人に最も大きなインパクトを与えうるのは「人」である。ならば、テクノロジー投資よりは、人への投資が優先と考えるべきだろう。従業員が笑顔で働ける職場をつくれるか、お金儲けや、競合を蹴落とすこと以外に会社の存在意義があるか、もしあるとすれば、それを本社のお偉いさんばかりではなく、店舗のフロアで働く人までもが実感しながら働ける環境をつくれるか。突き詰めれば、顧客に愛され、社会が応援したくなる企業文化を築くということなのだが、そこに、ターゲットに限らずすべての店舗小売業の生き残りの道があると確信している。</p>
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		<item>
		<title>地域社会と会社の融合－ザッポス・ダウンタウン・プロジェクトのグランド・ビジョン－</title>
		<link>http://www.dyna-search.com/blog/2012/05/11785</link>
		<comments>http://www.dyna-search.com/blog/2012/05/11785#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 01 May 2012 21:29:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator>石塚しのぶ</dc:creator>
				<category><![CDATA[石塚しのぶのブログ]]></category>
		<category><![CDATA[ザッポス]]></category>
		<category><![CDATA[セミナー報告]]></category>
		<category><![CDATA[トニー・シェイ]]></category>
		<category><![CDATA[ラスベガス]]></category>

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		<description><![CDATA[数週間前にセミナーでザッポス本社を訪問する機会があり、その際に、ザッポスが（というよりはトニー・シェイが）現在取り組んでいるラスベガス・ダウンタウン（旧繁華街）再生プロジェクトの担当者にお話をきいてきました。

まず、ザッポスがアレンジしてくれたリムジンでダウンタウンに向かいます。<a href="/blog/2012/05/11785">⇒続きを読む</a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>数週間前にセミナーでザッポス本社を訪問する機会があり、その際に、ザッポスが（というよりはトニー・シェイが）現在取り組んでいるラスベガス・ダウンタウン（旧繁華街）再生プロジェクトの担当者にお話をきいてきました。<br />
<br />
まず、ザッポスがアレンジしてくれたリムジンでダウンタウンに向かいます。<br />
<br />
<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/05/IMG_5453R.jpg" alt="ラスベガスダウンタウン"><br />
<br />
下ろされたのは「古き良きベガス」の匂いの漂う老舗カジノ、エル・コルテス。その真ん前に、ダウンタウン・プロジェクトの本拠である『オグデン（The Ogden）』はあります。この高層コンドミニアムの最上階2階（24階、25階）が、トニー・シェイ率いるダウンタウン・プロジェクトの本部、スタッフ住居、および起業家支援のためのレンタル・ワークスペースになっています。<br />
<br />
ダウンタウン・プロジェクトへの着手を始めて間もなく、トニーはそれまで自分が住んでいた一軒家を売り払い、『オグデン』に越してきました。そして、今ではここにプロジェクト・スタッフの全員が同居しています。かつて、トニーがベンチャー・ファンドの会社、ベンチャー・フロッグを経営していた頃に、サンフランシスコのロフトの一フロアを買って、起業家を住まわせたり、自分が支援している会社のオフィスとして使ったり、という逸話がありますが、それを彷彿とさせる環境です。<br />
<br />
『オグデン』のレンタル・オフィス・スペースの一室から、ベランダに出てこの開発プロジェクトのフォーカスである『Fremont East（フリーモント・ストリート東部）』を一望しました。前方に見えるのは、ザッポスが2013年に移転を予定しているラスベガス市庁舎。周りに駐車場がある以外は、空き地が多く一帯は閑散としています。トニー・シェイが同プロジェクトに個人的に投資している3.5億ドルのうち2億ドルは、不動産の購入や開発に充てられるのだそうです。<br />
<br />
<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/05/IMG_5435R.jpg" alt="フリーモント・ストリートとラスベガス市庁舎"><br />
<br />
そして残りの1.5億ドルは、テック起業家支援、ローカル・ビジネス支援、教育施設に3分割されて投資されます。ローカル・ビジネス支援のフォーカスと概要について、案内をしてくれたクリッシィさんが話してくれました。<br />
<br />
まず、支援対象となるビジネスは、次の四つの条件を備えたものだそうです。</p>
<ul style="list-style-type: square; margin-bottom:15px;">
<li>Community（地域社会に貢献する）</li>
<li>Executinability（遂行可能である）</li>
<li>Sustainability（維持可能である）</li>
<li>Passion（起業家の情熱が感じられる）</li>
</ul>
<p>そして、ダウンタウン・プロジェクトでは、次の三つの面での支援を提供します。</p>
<ul style="list-style-type: decimal">
<li>財務的支援（融資を受ける時などに必要なビジネス・プランの組み立て方、書き方などについて支援する）</li>
<li>ローカル・ビジネスとのメンターシップ・プログラム（ラスベガス地域で既に事業を営み、成功している経営者と起業家をマッチングし、経験豊かな経営者がメンターとして指導にあたるプログラム）</li>
<li>バックオフィス支援（給与・法務・人事などバックオフィス業務をダウンタウン・プロジェクト・オフィスが支援し、起業家が中核業務に専念できるようにするプログラム）</li>
</ul>
<p>アメリカでは、スモール・ビジネスの大半（80から90％）が起業後1年目にして倒産するといわれていますが、これらの支援を提供することにより、ラスベガス・ダウンタウンで起業するビジネスの成功率を上げようというのがトニーの思惑のようです。<br />
<br />
近年、「新しい働き方」が論じられる中で、「オフィス空間」の考え方も大きく変わってきています。昨今のオフィス空間のキーワードとして浮上してきているのが、「ソーシャル・インタラクション（社会的交流）」。個人のワークステーションを壁で囲わずにオープンにし、また、オフィスの随所に人が集えるスペースを豊富に設けるなど、アイデアの交流やコラボレーションを促進するような工夫が盛んに行われています。この「ソーシャル・インタラクション」のコンセプトを会社の壁の外まで延長するのが、ザッポスの新社屋のコンセプトであるといえるでしょう。<br />
<br />
グーグルやフェイスブックなど、シリコンバレーのテック企業のオフィスは、「敷地内ですべてが賄われる」という大学のキャンパスにも似たコンセプトのもとに建てられてきました。しかし、トニー・シェイは、ザッポス本社と周辺地域が融合して、相互的な価値を生み出す共同体をつくりたいと考えているのでしょう。だから、会社の中の環境を整えるだけでは飽き足らないのです。斬新なアイデアと野心に溢れたテック起業家を集め、レストラン、バーやアート施設など、人が集まる刺激ある場所をつくる。そこで、アイデアの異種交配が起こるように仕向ける・・・、それが、トニー・シェイの構想なのではないかと思います。今から5年後、ラスベガスのダウンタウンは、今とはまったく見違える風景と、気風をもった町になっているはずです。そう考えると、こちらまでワクワクしてきました。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>ザッポス、システム開発部の人たちと食事会をしました</title>
		<link>http://www.dyna-search.com/blog/2012/04/11765</link>
		<comments>http://www.dyna-search.com/blog/2012/04/11765#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 18 Apr 2012 21:32:20 +0000</pubDate>
		<dc:creator>石塚しのぶ</dc:creator>
				<category><![CDATA[石塚しのぶのブログ]]></category>
		<category><![CDATA[ザッポス]]></category>
		<category><![CDATA[システム開発]]></category>
		<category><![CDATA[セミナー報告]]></category>
		<category><![CDATA[ソーシャル・コマース]]></category>
		<category><![CDATA[ラスベガス]]></category>

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		<description><![CDATA[先日、サンフランシスコとラスベガスで企業文化に関するセミナーを行った際に、ラスベガス滞在の夜、ザッポスの人たちとの交流会を急遽企画しました。
<br />
参加してくれたのはザッポスのシステム開発部から三人。開発部の中でも、それぞれ全く異なる部署で働く三人ですが、いずれも各部署で中核的な役割を担う人たちで、普段ではきけない話を聞くことができました。<a href="/blog/2012/04/11765">⇒続きを読む</a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>先日、サンフランシスコとラスベガスで企業文化に関するセミナーを行った際に、ラスベガス滞在の夜、ザッポスの人たちとの交流会を急遽企画しました。<br />
<br />
参加してくれたのはザッポスのシステム開発部から三人。開発部の中でも、それぞれ全く異なる部署で働く三人ですが、いずれも各部署で中核的な役割を担う人たちで、普段ではきけない話を聞くことができました。<br />
<br />
<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/04/nachodaddy.jpg" alt="テクス・メクス・フュージョンのレストラン"><br />
<br />
交流会の場所は、創業期からの重鎮としてザッポスを支えてきたエグゼクティブ、フレッド・モズラーが所有するレストラン。タコスやナチョスを主力メニューとしたテクス・メクス・フュージョンのレストランです。その名も「ナチョ・ダディ」。<br />
<br />
簡単な自己紹介を終えて、話が向いたのは、現在、トニー・シェイが中心となり手がけているザッポスのラスベガス・ダウンタウン（旧繁華街）再開発プロジェクト。<br />
<br />
と、いうのも、交流会に参加してくれたサラさんは、同プロジェクトの一貫として最近ダウンタウンにオープンした「テック・ライブラリー」の司書を務める人だからです。<br />
<br />
「テック・ライブラリー」は、ラスベガスに住むテック関連ワーカーや起業家、また、テック業界に興味をもつ人たちのためのネットワーキング・スペースです。「ライブラリー」という名のとおり、テクノロジーやビジネス関連の書籍も揃えていますが、なにより、個人がノートブックPCなどを持ち込み、くつろきながら働くためのゆったりとしたスペースが設けられています。<br />
<br />
年間30ドルを払ってパスを購入すれば、いつでも気軽に立寄って利用することができるそうです。テクノロジーに興味がある、将来、テック業界で働きたいという人のために、リーズナブルな料金でプログラミングのクラスなども提供していくとか。<br />
<br />
「テック・ライブラリー」をはじめとする数々のダウンタウン再開発プロジェクトは、当初はザッポスを母体とするプロジェクトの一貫として立ち上げられましたが、今ではトニー・シェイが首謀をつとめるダウンタウン・プロジェクト（Downtown Project）という組織のもとに運営されています。ザッポスはアマゾンの傘下にある会社ですから、すべての投資はアマゾンの承認を得ないと遂行することはできません。新しい案件があがるたびに、予算を通すのが困難だったというのがその理由らしいです。<br />
<br />
そうこうしているうちに、話はザッポスが昨年サンフランシスコにオープンしたシステム開発オフィス、そして、ザッポスの創業期と現在との違い、などといったことに移っていきました。<br />
<br />
創業期からザッポスにいたという古株、グアテマラ生まれの日本人とのハーフだというアキさんは、<br />
<br />
「昔は何かを思いつくと、その場でどんどん変えることができるという身軽さとスピード感がありました。でも、今はそういうわけにはいきませんね。サイトが少しでもダウンすると、何千、何万人というお客さんに迷惑がかかるので。だからどうしても慎重になっています」<br />
<br />
「サンフランシスコにシステム開発オフィスを開いたのも、ザッポスのメイン・サイトではなかなか実験できないような新しい売り方や買い方を提案するようなソリューションをどんどん開発していくためなのですよ」<br />
<br />
と、ラスベガスとサンフランシスコのオフィスを行き来しているパヴェルさんが話してくれました。<br />
<br />
ザッポスは最近、iPadやフェイスブックのアプリはもちろんのこと、今までのネット通販にはないような画期的なソーシャル・コマース的ソリューションを次々と世に出していて、その動きはとてもエキサイティングです。<br />
<br />
最後に、リンクエクスチェンジ（トニーが最初に起業した会社）時代からトニーを知る人と直接話をする機会はめったにないので、「あなたの目から見て、トニーってどんな人？」とアキさんに聞いてみました。<br />
<br />
「とても不思議な人ですね。超人的に頭が切れて、なにより先見の明があります。例えば、人にプロジェクトを任せるとき、彼の頭の中では既にすべてがレイアウトされていて、問題点もちゃんと見えているのですよ。後になって、任された人が問題点を指摘すると、『そうだよね。あなたはどうしたらいいと思う？』と質問するんですが、それは相手の創造力を引き出すためのものなんです。自分から絶対に答えは言わない」<br />
<br />
「ザッポスが自らフルフィルメント・センターを立ち上げた当時、それまで数日かかっていた配送を翌々日配送にアップデートする、ということをやったんだけれど、それが軌道に乗った頃にトニーから祝福のメールをもらって、『プロジェクトの成功おめでとう。だけど僕らの目標は、ゆくゆくは翌日配送を実現することだ』と書いてあった。それを読んで私は、内心、「ありえない」と思ったんですけど、数年後にはザッポスは本当にそれを実現してしまいましたね」<br />
<br />
日本側の参加者から出た「皆さんの手柄話を聞かせてください」という質問に対して、「そんなの思いつかないなあ」、「いや、君はいろいろ重要なプロジェクトを手がけてきたじゃないか」など、ザッポス側の参加者三人が口々に譲り合うという、ザッポスのコア・バリューである「謙虚であれ」を地でいく一（ひと）コマもありました。<br />
<br />
ここでご紹介できたのはごく一部ですが、ザッポス社システム開発部の苦労話やその他もろもろの経験譚について、たっぷり二時間きくことができた長いようで短いような交流会でした。<br />
<br />
パヴェルさん、アキさん、サラさん。平日の夜の忙しいところ、ほんとうにどうもありがとう！</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>戦略的企業文化とコア・バリュー経営</title>
		<link>http://www.dyna-search.com/blog/2012/04/11744</link>
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		<pubDate>Thu, 12 Apr 2012 21:53:41 +0000</pubDate>
		<dc:creator>石塚しのぶ</dc:creator>
				<category><![CDATA[石塚しのぶのブログ]]></category>
		<category><![CDATA[PEAK経営セミナー]]></category>
		<category><![CDATA[コア・バリュー経営]]></category>
		<category><![CDATA[コア・パーパス]]></category>
		<category><![CDATA[サウスウエスト航空]]></category>
		<category><![CDATA[ザッポス]]></category>
		<category><![CDATA[セミナー報告]]></category>
		<category><![CDATA[チップ・コンリー]]></category>
		<category><![CDATA[ピーク経営]]></category>
		<category><![CDATA[マズロー]]></category>
		<category><![CDATA[企業文化]]></category>

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		<description><![CDATA[サンフランシスコで『ピーク経営』の生みの親、チップ・コンリー氏と共に行ったプログラム、私は、『戦略的企業文化とコア・バリュー経営』というテーマでセミナーを行いました。
<br />
マズローの欲求階層を企業経営に応用して、従業員、顧客、投資家の「自己実現」を目指すことで、ピーク・パフォーマンスを達成する・・・、『ピーク経営』の考え方と手法は、私が提唱する『戦略的企業文化とコア・バリュー経営』と大いに通じるところがあると思っています。<a href="/blog/2012/04/11744">⇒続きを読む</a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>サンフランシスコで『ピーク経営』の生みの親、<a href="/jp/services/speech-seminar/peak-seminar">チップ・コンリー氏と共に行ったプログラム</a>、私は、『戦略的企業文化とコア・バリュー経営』というテーマでセミナーを行いました。<br />
<br />
<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/04/企業文化構築.jpg" alt="企業文化構築の戦略的アプローチ"><br />
<br />
マズローの欲求階層を企業経営に応用して、従業員、顧客、投資家の「自己実現」を目指すことで、ピーク・パフォーマンスを達成する・・・、『ピーク経営』の考え方と手法は、私が提唱する『戦略的企業文化とコア・バリュー経営』と大いに通じるところがあると思っています。<br />
<br />
ザッポスやサウスウエスト航空など、私が「コア・バリュー経営企業」と定義する企業の多くは、「ピーク経営」のプラクティショナーでもありますから、両者の共通性は当然のことなのでしょうが。<br />
<br />
私はアメリカで大学院を卒業した70年代の頃から企業文化には興味をもっていたのですが、ザッポスの研究を経て、「次世代の経営の根本は企業文化にあるべき」という確信を得ました。<br />
<br />
それも、ただの「企業文化」ではない。「戦略的企業文化」と呼ぶべきだと、私は思っています。<br />
<br />
これはどういうことかというと、ただの「企業文化」はどこの会社にでもあるものだからです。しかし、自然発生的に存在する文化がすべて「良い文化」、つまり、会社の使命や事業の実現を後押しする文化や成長に貢献する文化かというと、そうではない。だから、企業の使命やコア・パーパス（存在意義）を出発点として、それにふさわしい文化を設計して、育むことが必要なのです。言い換えれば、「戦略的企業文化」の設計と構築が必要であるということになります。<br />
<br />
多くの企業が直面しがちな問題は、「企業文化が重要だ」ということがわかっていても、それをいかにして構築したらいいのか、ということがわかっていないということでしょう。ですから、多くの企業が「ただ何となく」企業文化育成に取り組んでいるという現実があります。また、「企業文化育成」の名のもとに取り組まれている努力の多くが、ごく表層的なものになってしまっています。<br />
<br />
「形から入る」という言い回しがありますが、例えば社訓や社是みたいなものを社内の至るところに掲示するとか、オフィスのレイアウトや飾りつけを工夫するとか、いろいろなものに独自の名前をつけてみるとか、そういったことが「表層的な努力」の部類に入るでしょう。<br />
<br />
もちろん、「形から入る」ことが悪いといっているわけではありません。「視覚的な表現」というのも、企業文化の重要な構成要素のひとつですから。ただし、私は、戦略的企業文化の構築には次の二つの理解が必要不可欠だと思っています。<br />
<br />
１．戦略的な企業文化とは、包括的な仕組みを伴うものである。（それなしには、戦略的なアプローチとはいえない。）<br />
２．戦略的な企業文化は、現場に浸透しないと意味がない。（現場の賛同、参加があってこそ、維持可能な企業文化が生まれる。）<br />
<br />
「包括的な仕組み」だから、「視覚的な表現」だけでは不完全なのです。採用、教育や人材の評価など、社内のあらゆる仕組みが企業文化にのっとって組み立てられることが必要になります。すべてにいっぺんに着手しろというわけではありませんが、経営者やプロジェクト・リーダーが、まず全体像を把握しておくことが必至です。<br />
<br />
また、「現場への浸透」がなければ、経営者の一人芝居、あるいは押し付けになってしまいます。そんな企業文化は付け焼刃であり、長続きもしなければ、実質的な成果を生むこともありません。<br />
<br />
では、どうやって、戦略的な企業文化を現場へ浸透させるか、現場が原動力になり、企業文化を活性化していく、そんな体制を実現するか、その手法であり、ツールであるのが「コア・バリュー経営」なのです。<br />
<br />
「コア・バリュー経営」とは、ごく簡単に言えば、会社のステークホルダーが共有すべき価値観を定め、それを基盤に企業経営の仕組みを組み立て、運営していくことです。<br />
<br />
今後、特に、個々の創造性の発揮が差別化の決め手になっていく「サービスの現場」では、コア・バリュー経営が要求されてくると思います。<br />
<br />
今回のセミナーでは、コア・バリュー経営の全貌をレイアウトした上で、その基本となる「コア・バリューの定義」について、ごくさわりだけをお話しました。<br />
<br />
7月には日本で、戦略的企業文化とコア・バリュー経営に関するセミナーとワークショップ・プログラムを開催しますが、ワークショップではコア・バリュー経営の構成要素をひとつずつ取り上げ、その組み立て方について演習を交えながら皆さんに学んでいただく予定です。</p>
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		<title>社員が最大の力を発揮できる職場をつくる: 「PEAK経営セミナー」のご報告（第一回）</title>
		<link>http://www.dyna-search.com/blog/2012/04/11725</link>
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		<pubDate>Wed, 11 Apr 2012 01:15:28 +0000</pubDate>
		<dc:creator>石塚しのぶ</dc:creator>
				<category><![CDATA[石塚しのぶのブログ]]></category>
		<category><![CDATA[PEAK経営セミナー]]></category>
		<category><![CDATA[ギャレリア・パーク・ホテル]]></category>
		<category><![CDATA[ジョワ・ド・ヴィーヴル]]></category>
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		<category><![CDATA[チップ・コンリー]]></category>
		<category><![CDATA[ピーク経営]]></category>
		<category><![CDATA[マズロー]]></category>

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		<description><![CDATA[サンフランシスコ、ラスベガスでの3日間のセミナー・プログラムを終えて帰ってきました。
<br />
今回のプログラム初日は、米経営書のベストセラー『PEAK』の著者であり、スピーカーとしても引っ張りだこのチップ・コンリーさんと、米PEAKセミナーのマスター・ファシリテーターであるスー・ファンクハウザーさんを迎えての豪華なコラボ・セミナーでした。<a href="/blog/2012/04/11725">⇒続きを読む</a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="/jp/services/speech-seminar/peak-seminar">サンフランシスコ、ラスベガスでの3日間のセミナー・プログラム</a>を終えて帰ってきました。</p>
<p>今回のプログラム初日は、米経営書のベストセラー『PEAK』の著者であり、スピーカーとしても引っ張りだこのチップ・コンリーさんと、米PEAKセミナーのマスター・ファシリテーターであるスー・ファンクハウザーさんを迎えての豪華なコラボ・セミナーでした。<br />
<br />
<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/04/chipandsi.jpg" alt="チップ・コンリーと石塚"><br />
<br />
会場は、チップ・コンリーさんが24年前に創設されたホテル・チェーン、ジョワ・ド・ヴィーヴルのプロパティのひとつであり、サンフランシスコのユニオン・スクエア付近に立地するエレガントなホテル、ギャレリア・パーク・ホテルです。そんなに大きくもなければ、小さくもないホテルで、「居心地のよい」、「気のおけない」という描写がぴったりの感じです。働いている人もとても明るくて、親切で、さすがは、「働く意義」を追求するジョワ・ド・ヴィーヴルの職場だけあると思いました。</p>
<p>奇しくもその夕方に東京に旅立つというチップさんは、「こうして日本の皆さんの前でお話できることは、とても光栄なことです。なぜかといえば、ここ二日間ほど、私は『日本三昧』の生活を送っているのですよ」とユーモアたっぷりのオープニング。オーディエンスの心を和ませました。</p>
<p>ジョワ・ド・ヴィーヴルの誕生から始まり、苦境に立たされた2001年、そして、マズローの欲求階層を経営に活用するという飛躍の発想。温かい人柄が感じられる語り口に時を忘れました。</p>
<p>チップさんのお話の後はマスター・ファシリテーターのスーさんによるミニ・ワークショップ。スーさんから出されたいくつかの「お題」について二人一組でシェアしてもらい、そして全体で発表、ディスカッションをしてもらいます。</p>
<p>なかでも、「あなたの会社で従業員が働きたいと思う理由」について、上から五つ挙げよ、という質問は簡単なようでいてとても難しいものでした。私もスーさんに促されてやってみましたが、経営者として自分が考えていることと、社員が考えていることが本当にマッチしているのかどうか考えさせられました。</p>
<p>「セミナー終了後会社に帰ったら、社員の皆さんに、『この会社で働きたい理由』をきいてみてください。きっとたくさんの気づきがあると思いますし、社員の言葉が、今後、会社でやるべきことを決定する上での良い判断材料になるはずです」</p>
<p>というのが、スーさんの結びの言葉でしたが、どうでしょうか。ブログをお読みの皆さんにも、是非取り組んでいただきたいエクササイズだと思います。</p>
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		<title>「社員の声を聴きまくれ！」－企業変革への第一歩</title>
		<link>http://www.dyna-search.com/blog/2012/03/11494</link>
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		<pubDate>Thu, 22 Mar 2012 21:35:07 +0000</pubDate>
		<dc:creator>石塚しのぶ</dc:creator>
				<category><![CDATA[石塚しのぶのブログ]]></category>
		<category><![CDATA[HCLテクノロジー]]></category>
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		<description><![CDATA[インドはベンガル州、ノディアを本拠とし、近年目覚しい躍進を遂げてIBMなどグローバル大手からも一目置かれているITアウトソーシング・サービス・プロバイダー、HCLテクノロジーという会社をご存知だろうか。つい先日、東京出張の際に同社のCEOであるヴィニート・ナイアー氏の著書『社員を大切にする会社－5万人と歩んだ企業変革のストーリー－（英治出版、穂坂かほり訳）』を手にとった。企業文化に関連する本は日本語、英語を問わず一通り目を通すようにしているのだが、今まで数多と読んだ本の中でも、目の覚めるようなひらめきと共感を数多く与えてくれる刺激的な本だった。<a href="/blog/2012/03/11494">⇒続きを読む</a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><span style="font-weight:bold;font-size:18px;">HCLテクノロジーの変革</span><br />
インドはベンガル州、ノディアを本拠とし、近年目覚しい躍進を遂げてIBMなどグローバル大手からも一目置かれているITアウトソーシング・サービス・プロバイダー、HCLテクノロジーという会社をご存知だろうか。つい先日、東京出張の際に同社のCEOであるヴィニート・ナイアー氏の著書『社員を大切にする会社－5万人と歩んだ企業変革のストーリー－（英治出版、穂坂かほり訳）』を手にとった。企業文化に関連する本は日本語、英語を問わず一通り目を通すようにしているのだが、今まで数多と読んだ本の中でも、目の覚めるようなひらめきと共感を数多く与えてくれる刺激的な本だった。同書では「企業文化」という言葉は使われていないものの、私にしてみればこれはつまるところ企業文化育成の本だ。新しい時代に対応する戦略的な企業文化を築く上で実践に役立つ教訓が詰まっている。今日は、同書を読んで心に強く感じたことを書いてみたいと思う。<br />
<br />
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4862761259/ref=as_li_tf_il?ie=UTF8&#038;tag=usbizinc-22&#038;linkCode=as2&#038;camp=247&#038;creative=1211&#038;creativeASIN=4862761259" target="_blank"><img border="1" src="/blog/wp-content/uploads/2012/03/book.jpg" width="250" align="right" style="margin-left:15px; margin-bottom:5px;"></a>まず、「何が書かれている本なのか」ということを簡単に説明すると、これは、30年の歴史をもつ大手成熟企業が、経営陣や管理者層がすべての権限を握る従来の階層的な組織構造をかなぐり捨て、<b>『従業員第一、顧客第二、マネジメント層第三』</b>という経営理念を掲げて、衝撃的な変革を遂げた顛末を実にわかりやすい言葉で書いた本である。とくに、CEOであるナイアー氏のごく個人的な自問自答や試行錯誤が率直に述べられている点が共感と感動を呼ぶ。<br />
<br />
オーソドックスなヒエラルキーをひっくり返し、社員が頂点に立つ「逆ピラミッド型」の組織構造をつくるという話は実はよく聞かれる。しかし、理屈はともかく、それをいかに実践するのか、というところが肝となる。同書では、<b>実際に顧客に価値を創出している現場の人間に権限、責任、アカウンタビリティが帰属する組織をつくる</b>ためにナイアー氏が行ったことの数々が解説されている。そして、その中でも「企業変革のための実践的なエッセンス」としてひときわ私の心の中に残ったのが、「社員の声を徹底的に聴く」という同氏の姿勢と仕組みであった。<br />
<br />
<span style="font-weight:bold;font-size:18px;">おざなりにされる「社員の声」</span><br />
SNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）やブログなどのソーシャル・プラットフォームの普及により、顧客の声のもつ影響力が強大化するにつれて、「顧客の声を聴く」ことの重要性については近年盛んに話されるようになってきた。一歩進んで、「顧客の声を活用する」ということについては大いに改善の余地があるにせよ、多くの企業が、従来型の「VOC（ボイス・オブ・カスタマー）」プログラムに加えて、ウェブでのモニタリング・プログラムなども積極的に設け始めている。<br />
<br />
その一方で、「社員の声は？」となると、大半の場合見過ごされてしまっている。これは、とんでもない「宝の持ち腐れ」ではないか、というのが、私が同書を読んで改めて得た印象である。<br />
<br />
<b>『CEOの役割とは社員に力を発揮させ、彼らが自分でアイデアを思いつき、仕事に全存在を投入し、変革を起こす権限を受け入れることができるよう支援することである。』</b><br />
<br />
<span style="font-weight:bold;font-size:18px;">CEOの役割を再定義する</span><br />
この考え方を基盤に、ナイアー氏は、「社員の声を聴く」ための仕組みを次々と考案し、導入していく。同氏の言葉を借りると、それは、「ピラミッド型組織をひっくり返す」ための『触媒』であった。<br />
<br />
例えば、社員が質問を投稿し、CEO並びに経営陣がそれに答えるというオンライン・フォーラム。<b>U&#038;I（あなたと私）ポータル</b>と呼ばれるこのフォーラムは、当初、社内の透明性を高め、社員と経営陣の間の対話を促進する目的で始められたが、のちに、ナイアー氏は、同サイトの中に「私の質問」というセクションを設け、CEOが答えられない、もしくは自分で解決できない問題に対して社員の意見を求めることを始めた。経済危機の只中にあっては、「景気後退の脅威にどう対応すべきか」と社員の意見を仰いだところ、経費削減のアイデアが無数に寄せられ、そのうち15件が採択、実践されて成果をもたらしたという逸話がある。<br />
<br />
<span style="font-weight:bold;font-size:18px;">実践が示す<b>メッセージ</b>の威力</span><br />
「社員の声を聴く」という試みとしてナイアー氏が行ったことは他にもたくさんあり、その詳細は是非、同書を読んで学んでいただきたい。しかし、最も注目すべきは、同社が社員の声を聴くためにどんな仕組みを用いたのか、その仕組みそのものではなく、その実践が社員に伝えたメッセージとその威力である。<br />
<br />
例えば、CEOが「答えられない、あるいは解決できない」質問について社員の意見を仰ぐという仕組みは、「CEOだけが企業変革に必要な知恵や権限を持っているのではなく、むしろ、変革の責任と権限は全社員に委ねられている」というメッセージを強烈に打ち出した。<br />
<br />
また、先に述べた例では、経済危機の只中に、「景気後退の危機を乗り越える方策」を社員に問いかけることによって、優れた経費削減のアイデアを得られたというばかりではなく、社員のモチベーションを上げ、業績向上をもたらす結果となった。「不況を乗り切るには」という会社の経営に関わる深刻な難題を投げかけられたことによって、社員は「頼りにされている」と感じ、売上に貢献しようとより一層の意気込みをもって顧客の価値創造に励んだというのだ。同じ時期、多くの企業では不況への対応策を講じる話し合いが会議室の閉ざされたドアの向こう側で行われ、これが社員の不安を煽り、やる気と生産性を減退させる原因となった。競合がマーケットシェアを失う中、HCLテクノロジーが目覚しい成長を続けたことは言うまでもない。<br />
<br />
同じような逸話は、卓越した企業文化で知られるアメリカの航空会社、サウスウエスト航空の社史にも存在する。2001年の同時多発テロ以降、アメリカの航空業界を凄まじい不況が襲い、多くの航空会社が人員削減を余儀なくされた時、サウスウエスト航空は人を解雇せず、なおかつ赤字を出さなかった唯一の航空会社であった。同社の経営陣は、会社が深刻な経営難にあることを社員に開示した上で、人員削減は行わないと断固として宣言したが、社員はその誠意に応え、合計130万ドル相当の自主減俸を申し出たのである。会社の経営に参加する責任と権限を委ねられたとき、社員がいかに大きな力を発揮するかを物語る逸話である。<br />
<br />
<span style="font-weight:bold;font-size:18px;">飛躍する会社は、社員の声を聴く会社</span><br />
考えてみれば、苦境を乗り切り、飛躍する会社は、<b>社員の声を聴く会社</b>である。前述のサウスウエスト航空も然り。ある時、同社が米国航空業界標準の予約システムから締め出しを受けたことがあった。予約システムに登録されないということは、自動発券ができないということ。その不便さに、旅行代理店からサウスウエストに苦情が殺到した。創設者のハーブ・ケレハーは、早速この解決策について社員の意見を仰いだところ、のちに同社を有名にした「チケットレス・システム」が社員の声から生まれたという。それもそのはず。ハーブ・ケレハーをはじめ同社の経営陣は、常日頃から社員の声を奨励し、社員からのメールにはCEOであろうと一週間以内に答えるという習慣を実践していたらしい。このような姿勢が、社員のやる気と責任感を高め、自主的な価値創造活動へと社員を駆り立てていたのである。<br />
<br />
かのザッポスも、社員の声を聴くことに関しては極めて貪欲である。ザッポスでは、略称『ハピネス・サーベイ』と呼ばれる社員意識調査を毎月行っている。社員の「幸福度」を測定するためのサーベイであり、質問は五問。三つの選択肢の中から一つを選ぶという簡単なもので、「五秒間でできる」というのが売りのポイントである。サーベイの集計結果は全社員にメール送信される。また、自由コメント欄もあり、社内の「幸福度」を向上させるための提案や改善点を自由に書き込める。寄せられた提案には、然るべき部門／部署／役職の担当者から漏れなく返答があるという。<br />
<br />
また、ザッポスの場合、社員の声を聴く仕組みはサーベイだけに限らない。サウスウエスト航空と同様、社員の誰もが、CEOを含む経営陣の誰にでも直接メールを送り、意見を述べたり、質問をしたりすることができる。また、『なんでもきいてみよう』と題する社内ニュースレターがあり、社員から寄せられた質問と経営陣の回答が毎月全社員に送信される。さらに、ザッポスの壁のないオフィスでは、社員の誰もがCEOの席に赴き、「物申す」ことが可能である。<br />
<br />
かのウォルマートも「オープン・ドア・ポリシー」を謳っていて、創設者であるサム・ウォルトンの時代からの伝統らしいが、サウスウエスト航空やザッポスとはかなりプロセスが異なり、意見や質問は必ず正式な命令系統に則って行われなくてはならない。つまり、意見や質問があったらまず行くべきは直属の上司のところであり、垣根を跳び越えてCEOや部門長にいきなり直訴することはできないということである。<br />
<br />
組織が大きくなればなるほど社員の声がトップに届きにくくなるのが常だが、共に机を並べて働いているから、「声が聴こえている」と思ったらそれは間違いだ。たいていの職場は、<b>信頼関係の破綻</b>を根本的な問題として抱えている。毎日、顔を合わせているからといって、一体どれだけの社員が上司や同僚に「本音」で話せているだろうか。だからこそ、サーベイなどの仕組みは、安全な環境のもとで自由に物申す機会を社員に与えるのである。<br />
<br />
<b>『人は自分のしていることに情熱と責任を感じるとき、会社を変革できるだけでなく、自分自身をも変革できる』</b>というナイアー氏の言葉は経営者としての私の心にも強く響いた。社員一人ひとりが、「自分の」会社であり、「自分が」会社を変えることができると信じた時、はかり知れない底力を発揮することができる。「市場縮小時代」などと言われるが、勝算ゼロの市場においても飛躍を続ける企業においては、社員が経営の主役なのである。<b>社員の英知や情熱の邪魔をせず、社員がその責任と権限をまっとうする環境をつくること</b>、それこそが経営者の仕事なのだと、同書を読んで改めて確信させられた。</p>
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		<item>
		<title>愛情はお金で買えるか？：ポイント・プログラムの落とし穴</title>
		<link>http://www.dyna-search.com/blog/2012/03/11486</link>
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		<pubDate>Wed, 14 Mar 2012 01:50:10 +0000</pubDate>
		<dc:creator>石塚しのぶ</dc:creator>
				<category><![CDATA[石塚しのぶのブログ]]></category>
		<category><![CDATA[JCペニー]]></category>
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		<category><![CDATA[百貨店]]></category>

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		<description><![CDATA[近年、アメリカの大手老舗百貨店は史上最大の窮地に立たされている。名指しでいえば、シアーズ、JCペニーなどといったところだ。「百貨店」とはいってもこれらは日本の人がイメージする百貨店とはちょっと雰囲気が異なるかもしれない。もっと庶民的な、いうなればイーオンやイトーヨーカドーのようなところをイメージしていただきたい。つい先日、シアーズは4,000店舗中1,200店舗を売却する意向を発表したばかりだが、昨日、そのシアーズが自らを倒産から救うために講じている「新たな戦略」について興味深い記事を読んだ。<a href="/blog/2012/03/11486">⇒続きを読む</a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>近年、アメリカの大手老舗百貨店は史上最大の窮地に立たされている。名指しでいえば、シアーズ、JCペニーなどといったところだ。「百貨店」とはいってもこれらは日本の人がイメージする百貨店とはちょっと雰囲気が異なるかもしれない。もっと庶民的な、いうなればイーオンやイトーヨーカドーのようなところをイメージしていただきたい。<br />
<br />
<a href="/blog/wp-content/uploads/2012/03/sears.jpg"><img src="/blog/wp-content/uploads/2012/03/sears.jpg" width="450" height="" alt="シアーズ"></a><br />
<br />
つい先日、シアーズは4,000店舗中1,200店舗を売却する意向を発表したばかりだが、昨日、そのシアーズが自らを倒産から救うために講じている「新たな戦略」について興味深い記事を読んだ。<br />
<br />
ずばり言うと、顧客データのマイニングとモバイル・テクノロジーを駆使したポイント・プログラムに会社の命運をかけているということだ。シアーズの現CEO、ルー・ダンブロシオ氏は小売業界の出身ではなく、テクノロジー業界から引っ張られてきた人だが、同氏の言葉を借りると、「シアーズを小売の墓場から救う道はこれだけ」という勢いで、テクノロジー分野での投資を強化しているということらしい。<br />
<br />
最近、地域限定で開始されたプログラムでは、ポイント・プログラムのメンバーがスマートフォン・アプリで店舗に「チェックイン」すると、店員がその顧客の来店を感知し、購買履歴やウェブ（シアーズ・ドット・コム）の閲覧履歴にアクセスした上で、顧客の興味に合わせたセール情報を教えてくれたり、店内を案内してくれたりするという。<br />
<br />
店に足を踏み入れたとたん、見知らぬ店員が近寄ってきて、「いらっしゃいませ、石塚様。先日、オンラインでチェックされていた靴が安くなっておりますよ」などというシーンが展開されるわけだ。ちょっとうすら寒いような気がしないでもない。<br />
<br />
（それはそうと、同じようなサービスを<a href="http://www.dyna-search.com/jp/13796">米高級デパート、ニーマン・マーカスでもやり始めた</a>と最近報道されていた。パーソナルなサービスや特典と引き換えに、プライバシーを放棄するか否か、そんな選択を迫られる時代が来ようとしているのか。）<br />
<br />
ちょっとわき道にそれたが、この話の中で私が興味を引かれたのは、ポイント・プログラムの内容より何より、そもそも「ポイント・プログラムで会社を救済できるか」ということだ。<br />
<br />
答えは否。もっと言えば、「いかに最新のテクノロジーを駆使したポイント・プログラムをもってしても、根本的に壊れてしまったビジネス（ブランド）を救済することはできない」ということだ。<br />
<br />
今どき、ポイント・プログラムなんてどこの会社でも展開しているし、似たようなポイント・プログラムはどの会社にでもできる。また、買い手の側にも、長引く不況の中で、「安く買えるんだったらとりあえず登録しておく」メンタリティが蔓延している。だから、ポイント・プログラムへの登録者数を稼ぐのはあまり問題ではないのだ。グルーポンやその猿真似的ビジネスが大流行する（した）のはそういった理由からである。でもそれも結局は長続きしなかった。数にだまされてはいけない。<br />
<br />
「小売の基本に帰るべきだ」とあるアナリストは言う。私もそう思う。悲しいかな、「シアーズ」と聞いて、私の知るアメリカ人の多くはどういうイメージを抱くか。古く、さびれた、ぼろぼろの店舗。暗い店内に、やる気のない店員。どう考えても、「週末に楽しくお買い物」したい場所ではない。<br />
<br />
アメリカでは、ポイント・プログラムは一般的に「ロイヤルティ・プログラム」と称されるが、「ロイヤルティ」とは本来「忠誠心、愛情、きずな」という意味である。皮肉なことに、十中八九間違いなく、ポイント・プログラムを理由にリピート購入する顧客に「ロイヤルティ」は期待できない。そういう顧客は、特典を取り上げたら最後、よそに行ってしまう。顧客から、真の「ロイヤルティ」を得ている企業は、「ロイヤルティ・プログラム」など必要ないのである。それは、アップルのような会社をみれば歴然だ。<br />
<br />
愛情はお金では買えない。顧客に愛されるお店をつくるにはどうすべきか。シアーズは、今いちど問い直すべき時に来ているのではないだろうか。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>アップルとグーグルの一騎打ち：米ホーム・エンターテイメントを制するのは誰か？</title>
		<link>http://www.dyna-search.com/blog/2012/02/11464</link>
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		<pubDate>Sat, 11 Feb 2012 00:47:04 +0000</pubDate>
		<dc:creator>石塚しのぶ</dc:creator>
				<category><![CDATA[石塚しのぶのブログ]]></category>
		<category><![CDATA[アップル]]></category>
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		<category><![CDATA[アンドロイド]]></category>
		<category><![CDATA[グーグル]]></category>
		<category><![CDATA[デジタル・コンテンツ]]></category>
		<category><![CDATA[ホーム・エンターテイメント]]></category>

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		<description><![CDATA[グーグルがホーム・エンターテイメント機器を展開するらしい・・・との報道がされて、アメリカではちょっとした話題になっている。
<br />
クラウド型ストレージ・サービス、「ドライブ(Drive)」の間近な導入が報道されたのがつい先日。最近のグーグルはサービス／事業拡張に忙しい。いや、グーグルという会社はもとより、新しいアイデアを次々と試験運転しては、スティック（定着）しないものをどんどん切り捨てていくというベータ的メンタリティの会社ではあったのだが・・・。しかし近年では、それがオリジナルな「ネット広告ビジネス」のモデルからの離脱を示唆するものであるからか、特に目立ってみえる。<a href="/blog/2012/02/11464">⇒続きを読む</a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>グーグルがホーム・エンターテイメント機器を展開するらしい・・・との報道がされて、アメリカではちょっとした話題になっている。<br />
<br />
クラウド型ストレージ・サービス、「ドライブ(Drive)」の間近な導入が報道されたのがつい先日。最近のグーグルはサービス／事業拡張に忙しい。いや、グーグルという会社はもとより、新しいアイデアを次々と試験運転しては、スティック（定着）しないものをどんどん切り捨てていくというベータ的メンタリティの会社ではあったのだが・・・。しかし近年では、それがオリジナルな「ネット広告ビジネス」のモデルからの離脱を示唆するものであるからか、特に目立ってみえる。<br />
<br />
<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/02/google.jpg" alt="グーグル"><br />
<br />
昨年の8月に発表されたグーグルによるモトローラの買収を、どうやら近日中に米司法省が正式に認可するらしいという報道があったのが昨日。発表当時に、「グーグルがついに（携帯／スマートフォンの）『ものづくり』に進出！」ということで大いに業界を湧かせた。そして今度は、グーグル・ブランドのホーム・エンターテイメント機器の開発／販売に乗り出すという。今までアンドロイドというOSの開発に徹し、スマートフォン、タブレット、あるいはTV機器メーカーにそれを「使わせる」という形をとってきたが、ここにきて、「ソフト⇒ハード」、いや、「ソフト＋ハード」への大胆な飛躍に乗り出すというわけだ。<br />
<br />
ご存知のように、グーグルやフェイスブックのようにいわば「システム開発」に徹するテック企業の強みはその利ざやの高さにある。「ものづくり」に手を出すと、当然のごとく利ざやは犠牲にされるので、グーグルのこの動きに対して警告を発しているアナリストも少なくはない。<br />
<br />
「ソフト」と「ハード」をパッケージ化したサービスの展開でビジネス・モデルの大転換を試み、飛躍的な成功を収めた企業といえばあの「アップル」である。アップルはもともとはPCの開発・製造を手がける「ハード」の会社であったが、コンシューマー・エンターテイメント・デバイスであるiPod（ハード）を導入した際に、それに併せてデジタル・エンターテイメント・マネジメント・システムであるiTunes（ソフト）を世に紹介し、また流通の仕組みであるiTunesストアまでつくってしまったことで、生活者のデジタル・エンターテイメント・ライフを一手に引き受けるソリューション・プロバイダーとしての地位を固いものとした。<br />
<br />
<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/02/itunes.jpg" alt="itunes"><br />
<br />
そして、「iPodというハード」を管理するには「iTunesというソフト」が必要という排他的構造を作り出すことで、供給から消費までのプロセスをコントロールしたことが、アップルのさらなる成功につながったことは言うまでもない。さらに、今日ではiTunesは、iPodだけではなくiPhoneやiPadなど他のデバイスのマネジメント・ソフトとしても確立されている。<br />
<br />
業界情報筋の噂によれば、ホーム・エンターテイメント機器の中でもグーグルが初めにフォーカスを置くのは「オーディオ機器」であるらしい。つまり、グーグルのクラウド型ミュージック・サービスから、家庭のワイヤレス・ネットワークを通じてグーグル・ブランドのオーディオ機器に音楽をストリーミングする。スマートフォンやタブレットなどアンドロイド搭載の携帯端末がリモコンの役割を果たすとも言われているが、詳細はまだ定かではない。<br />
<br />
これが、アップルの成功を模倣する試みであることは誰の目にも明らかだ。現在、グーグルとアップルはあらゆる市場でぶつかっている。昨年からグーグルが手を染め始めたデジタル・コンテンツ・サービス（ミュージック、映画、電子書籍）、そして先に触れたモトローラの買収により、スマートフォンの市場でもいずれは衝突することになる。もちろん、これらの分野においてはグーグルはまったくの新参者であり、今のところアップルに圧倒的な軍配があがっている。<br />
<br />
「ソフト＋ハード」のビジネス・モデルでアップルとグーグルの一騎打ち、ということになるが、不気味なのはアマゾンの存在だ。「ハード」という面からいえば、アマゾンは昨年末のキンドル・ファイヤーのリリースによってデジタル・エンターテイメント・デバイスの市場に勢いよく討って出た。「ソフト」面では、電子書籍流通では押しも押されもせぬドミナント・プレイヤーであるキンドル・ストアをもち、デジタル・ミュージックや動画など他のコンテンツ・サービスのプッシュにも余念がない。<br />
<br />
テック（デジタル）ビジネスにおいては、「聖域」はない。誰もが隣人の縄張りに今日にでも踏み込んでいける世の中だ。第二四半期に上場を控えるフェイスブックも、生活者／インフラ／パートナーシップの三つの点から、デジタル・エンターテイメントの主要プレイヤーになれる潜在性を十分秘めている。米国デジタル・エンターテイメント業界は、今後、アップルとグーグルの一騎打ち、ならぬ三つ巴、四つ巴の戦場になっていくのだろうか。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>フェイスブックの未来：明暗を分けるのはやはり「企業文化」-フェイスブック上場申請に思うこと</title>
		<link>http://www.dyna-search.com/blog/2012/02/11450</link>
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		<pubDate>Thu, 02 Feb 2012 00:41:10 +0000</pubDate>
		<dc:creator>石塚しのぶ</dc:creator>
				<category><![CDATA[石塚しのぶのブログ]]></category>
		<category><![CDATA[ソーシャル]]></category>
		<category><![CDATA[ピーター・ドラッカー]]></category>
		<category><![CDATA[フェイスブック]]></category>
		<category><![CDATA[マーク・ザッカーバーグ]]></category>
		<category><![CDATA[企業文化]]></category>

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		<description><![CDATA[今日、フェイスブックが待望の上場申請を行いました。ウェブ上に公開された申請書類にさらりと目を通してみましたが、なかでも特に印象に残ったのが、若き創設者であり最高経営責任者であるマーク・ザッカーバーグからの手紙です。
<br />
世界中の人々がつながり、自己を自由に表現しあうことを可能にするツールを提供することによって、「社会を変える」。この実に大胆ともとれる声明文から、生活者、そしてフェイスブックのコラボレーター（デベロッパーや広告主）にとって、史上最強のソーシャル・プラットフォームを構築するのだという彼の意気込みを感じ取ることができました。<a href="/blog/2012/02/11450">⇒続きを読む</a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>今日、フェイスブックが待望の上場申請を行いました。ウェブ上に公開された申請書類にさらりと目を通してみましたが、なかでも特に印象に残ったのが、若き創設者であり最高経営責任者であるマーク・ザッカーバーグからの手紙です。<br />
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<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/02/fb.jpg" alt="フェイスブック"><br />
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世界中の人々がつながり、自己を自由に表現しあうことを可能にするツールを提供することによって、「社会を変える」。この実に大胆ともとれる声明文から、生活者、そしてフェイスブックのコラボレーター（デベロッパーや広告主）にとって、史上最強のソーシャル・プラットフォームを構築するのだという彼の意気込みを感じ取ることができました。<br />
<br />
もう一歩踏み込んでいえば、人と人との間の「SHARE（共有）」ということが、今日の社会を支える中核的な価値創造活動になる中で、フェイスブックの目指すところ（ザッカーバーグは「ソーシャル・ミッション」という言葉を繰り返し使っている）が明確に打ち出されていたと思います。<br />
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<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/02/hack.jpg" alt="フェイスブック" align="left" width="270" height="244" style="margin-right: 10px; margin-bottom:5px;">また、もうひとつ私の注意をひいたのは、申請書の中で、ザッカーバーグがフェイスブックの企業文化についてかなりの熱を込めて語っているということです。「ザ・ハッカー・ウェイ」と呼ばれるフェイスブックのカルチャーが今後の成功のカギであり、その一方で、「スピーディな実践」を重んじ、「短期的利益に目を向けない」という価値観が仇になる可能性もあると「リスク要因」のセクションで述べているところが、非常に興味深いと思いました。<br />
<br />
『企業文化はどのような戦略にも勝る』というのは、一説によればかのピーター・ドラッカーの言葉だとも言われていて、アメリカではかなり以前からよく引用されるフレーズですが、「企業組織として、どんな文化をつくるのか」、「どのようなミッションを掲げるのか」、そして、「働く人たちと、どのような価値観を共有していくのか」ということが、今日、経営上の大きな命題としてとらえられているのだということをザッカーバーグの手紙から感じました。<br />
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この若き会社、フェイスブックが、これからどのように世の中を変えていくのか、ひとりの生活者としての期待とビジネスの研究者としての好奇心に胸を躍らせています。</p>
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		<title>アップルストアの生みの親が老舗デパート再建に本腰</title>
		<link>http://www.dyna-search.com/blog/2012/01/11436</link>
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		<pubDate>Thu, 26 Jan 2012 00:44:36 +0000</pubDate>
		<dc:creator>石塚しのぶ</dc:creator>
				<category><![CDATA[石塚しのぶのブログ]]></category>
		<category><![CDATA[J.C.ペニー]]></category>
		<category><![CDATA[アップル]]></category>
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		<description><![CDATA[日本の皆さんには今ひとつ馴染みが薄いかもしれませんが、アメリカにはJ.C.ペニーという老舗デパートがあります。創業1913年で、1928年には既に全米で1,000店舗を運営していました。40年代にはあのウォルマートの創設者であるサム・ウォルトンが小売の経験を積んだお店でもあります。
<br />
かつては一世を風靡したJ.C.ペニーですが、店の雰囲気といえ、品揃えといえ、近年ではまったく冴えない存在になってしまいました。多少辛辣な言い方をすれば、「デパート」とは名ばかりの安売りの店になってしまったといってもよいでしょう。<a href="/blog/2012/01/11436">⇒続きを読む</a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>日本の皆さんには今ひとつ馴染みが薄いかもしれませんが、アメリカにはJ.C.ペニーという老舗デパートがあります。創業1913年で、1928年には既に全米で1,000店舗を運営していました。40年代にはあのウォルマートの創設者であるサム・ウォルトンが小売の経験を積んだお店でもあります。<br />
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かつては一世を風靡したJ.C.ペニーですが、店の雰囲気といえ、品揃えといえ、近年ではまったく冴えない存在になってしまいました。多少辛辣な言い方をすれば、「デパート」とは名ばかりの安売りの店になってしまったといってもよいでしょう。<br />
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<img src="/blog/wp-content/uploads/2012/01/jcpenny.jpg" alt="JCペニーの外観"><br />
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そのJ.C.ペニーの最高経営責任者にロン・ジョンソンが就任したのは昨年6月のことです。ロン・ジョンソンといえば、アップルストアの生みの親であり、アメリカ小売業の「グールー（導師）」とまで称される人です。そのジョンソンが、J.C.ペニー再建の最後の切り札として、「デパート」という概念を根底から破壊し、その店舗の一新を図る、という発表を行い、アメリカの小売業界に波紋を呼んでいます。<br />
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ロン・ジョンソンと彼のアップルにおける功績については、私が今年4月にコラボ・セミナーを行うチップ・コンリー氏の著書『PEAK』にも書いてありますが、彼はアップルストアのコンセプトづくりに「PEAK経営」を応用し、「お客様自身もはっきりとは認識していないニーズ」に応えることを目指して、ジーニアス・バーのような画期的なサービス・モデルを創り出したといいます。<br />
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その彼らしく、ジョンソン氏がJ.C.ペニーの最高経営責任者に就任して真っ先にやったことは、一顧客としてJ.C.ペニーのメール配信リストに登録することだったとか。あくまで、「お客様の視点からビジネスを見る」ということをモットーとしているんですね、このジョンソンという人は。<br />
<br />
そして気づいたのは、毎日のように、そしてひどい時には一日のうちに数回もやってくるメールの嵐。それもすべてが安売り情報ばかりです。皆さんも身に覚えがあると思いますが、今どきは誰でも「ジャンク・メール（「がらくたメール」という意味で、迷惑メールのこと）」に飽き飽きしています。宣伝のメールには目を通さない人も多いですし、あまり頻繁にメールされると、それだけで悪印象をもってしまうことも少なくありません。<br />
<br />
再建への試みのひとつとして、ジョンソンはこのJ.C.ペニーの「安売り体質」にメスを入れることを発表しました。現状、J.C.ペニーではなんと全商品の3分の2が常に50％かそれ以上のディスカウントで売られているというのですが、一時的な目玉として提供される「バーゲン・セール」をやめ、その代わり商品の店頭価格を軒並み40％程度引き下げることを決定しました。<br />
<br />
アメリカでは年々「デパート」という業態が振るわなくなり、業績の停滞を見せています。それでも、ニーマン・マーカスなど高級感を売りにしたところはまだ良いのですが、一番苦しいのは、J.C.ペニーなどかつて「庶民のデパート」として親しまれてきたお店でしょう。これらの店はデパートならではの高級感やイベント性に欠ける反面、価格や品揃えではウォルマートやターゲットなどの量販店に及ばない、という実に中途半端な存在になってしまっています。<br />
<br />
「優れた立地、莫大なマーケティング予算、広々とした売場など、デパートは競争に有利な条件をすべて備えている。零落してしまったのは、何かが根本的に間違っているから」というのはジョンソン氏の談。先に述べた価格戦略のほかにも、デパートの中を魅力的なブランドのミニ・ショップをテナントとして取り揃えた市場のようにする、また、顧客が集い、くつろいだり、催しものを楽しんだりできる「タウンスクエア（街の広場）」をフロアの中央に設けるなどといった作戦を打ち出しています。<br />
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個人的には、シアーズやJ.C.ペニーなど規模の巨大な老舗リテーラーにとっては、「すでに遅し」という気がしないでもないのですが、この「小売業の導師」がどのような魔術を見せてくれるのか非常に楽しみです。普段はJ.C.ペニーとは縁遠い私ですが、近々ひとつ覗きにいってこようかと思っています。</p>
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